第2話 三人の嫁候補とイケメンな友達二人
俺が窓の外を見て浸っていると教室に着いていた。
ガラララッ。
「「「「「お疲れ〜!!」」」」」
教室のドアを開けると愉快な仲間たちが出迎えてくれた。
美少女3人とおまけのイケメンによるお出迎えだ。
「ありがと」
俺が返すと小学校から聞きなれている声が聞いてきた。
その可愛げのある幼い声の持ち主の方を向くと銀髪でとても可愛く、まさに男子高校生の理想を具現化したような女の子が立っている。
彼女は
アイドルグループにいてもおかしくないんじゃないかと思うレベルに可愛くて、俺の『嫁候補』と周りに認識されている女の子だ。
「挨拶やってみてどうだった?」
そう悠亜にされた質問に対して俺は満面の笑みで言った。
ていうか返事なんて決まっている。
「いや〜緊張しましたわ〜」
「「「「「いや嘘だろ」」」」」
みんなに口を揃えてツッコまれた。
「いやいや本当だってー。俺も人間なんですけど?」
俺の言葉に嘘だろ、と笑いながら高身長で暑苦しいイケメンが反応してきた。
「お前が緊張するわけないだろ。俺には不敵な笑みを浮かべた悪魔にしか見えなかったんだが」
高身長で暑苦しいイケメンこと
ちなみにモテない。
理由は明白。
暑苦しいからだ。
高身長イケメンとか羨ま……しくなんかないんだからね!
おっとついつい嫉妬が……。
「俺が悪魔ならとっくに世界は滅んでるぞ!」
俺は嫉妬をバレないようにカッコつけて言ってみた。
するとそれに対して何言ってんだこいつ的な笑いが生まれた。
みんなひどくね。
「悪魔さん悪魔さん。ここに契約書があります。これにサインをすれば富も名声も女の子も全て手に入ります。どうぞサインしてください」
そう言って大人しめに見える実は美少女系女の子こと
どれどれ……って!?
「おいこれ婚姻届じゃん! どさくさに紛れてそんなもん出すなよ!」
俺の返答にまるで餌がもらえなかった小動物のように春がぶー垂れていた。
「私はただ空君が好きで愛してるから早く既成事実を作りたいだけなのにー」
「急に婚姻届を渡されて嬉しい男の子がいるか! いや、いるのか?」
春は小柄で小動物のように可愛く愛らしく、しかし一見は大人しい真面目ちゃんに見えるのがすごく好ましい。
そんな春だが場所も人目も憚らず抱きついたり、「愛してる」とか平然と言ってくるのが玉に瑕。
「そんだけ空のこと好きってことなんだよ?」
そう笑いながら悠亜が言われた。
「好きって言ってもねぇ。せめて時と場所を考えてくれ」
ほんと人がたくさんいる中で言われると俺への視線が痛いからやめてくれよ。
そんな風に考えてるとスポーツ万能で可愛いというよりかっこいいが似合う亜麻色の髪を持ったポニーテールの嫁候補、
「そんなこと言ってー! 春ちゃんにドキッとしたくせにー」
一瞬頬を赤らめたのが見られていたのか……。
「そりゃ男なら美少女にそんなこと言われてドキッとしないわけないって」
超絶可愛い女の子に好きとか愛してるって言われてドキッとしない男がいたら教えて欲しいくらいだ。
俺なんかいつもドキドキしっぱなしだぞ。
「ところで悪魔君。美少女とイチャイチャしすぎて周りからの視線がキツくなってる件についてはどうするのかな」
そう茶化してきたのは
艶やかな黒髪の爽やかイケメン君で俺の一番信用できる友達であり幼馴染だ。
茶化されて初めて周りを見ると周りの男子から負の視線が向いてることに気づいた。
俺は多少引き攣った笑顔で言った。
「そ、その件は放置ということで……」
めんどくさいことは放置に限る。
放置すれば時間が経ち物事は風化していく。
そうすれば大抵のことは解決しているのだ。
例えば仲良かったやつと喧嘩したとしても、時間が経てばいずれどちらかが仲直りを持ちかける。
または仲直りせずに自然と話すように戻ったり、そのまま話さなくなったりする。
それらは全て時間がもたらしたものである。
俺はそういうことから時間が大抵のことをどうにかしてくれると思っている。
まぁあくまで『大抵のことは』だからなんでもではないんだけどな。
結局早く解決したい問題は自ら動かないといけないので、どうでもいいことにしか時間が解決してくれます理論は使えないしね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます