第三章 猫耳コンプレックス 1
バスケ対決から数日後の土曜日。
「買い物いくから付き合ってくれ」
いつものように誘われるがまま、トオルは午前中から長二郎に連れられて市街のアニメショップに出向いたのだが……フィギュアが見たいとか本屋に行きたいと振り回され、地元に帰ってきた頃には夕方になってしまった。
「この重量感。たまんねー」
本日の戦利品である『魔剣ヴェルファー』の限定版レプリカの箱に頬ずりする親友。もっともサブカルチャーに興味の無いトオルにとっては、ただのオモチャにしかみえなかった。
「じゃあ、またね」
アルバイトに向かう長二郎と駅前で別れ、トオルは買い物客で賑わう商店街を歩き始めた。
――お腹空いたなぁ
父親は休日出勤。母親は中学生の子供を持つ親同士の集まりで遅くなり、妹の智花は友達の家にお泊まり会。家族の中で取り分け予定のないトオルだけが取り残され、今夜の夕食はひとりで済ますよう母親から言い渡されていた。
――牛丼でも食べて帰ろうかな
母親からもらった夕飯代を握りしめ、ジャンクフード店の看板を掠め見ていると、大きく膨れ上がったトートバッグを担いで、テトテト歩く幼女の背中が視野に入った。スカート丈の長いメイド服と、フリルの施されたエプロンとヘッドドレス。その伝統的なメイドさんの装いに、買い物で賑わう通行人が注目していたのはいうまでもない。
「もしかしてクレア?」
「あらぁ、トオルさまぁ。こんなところでぇ、会うなんて奇遇ですねぇ」
満面の笑顔をこぼす幼女。そのメイド姿に、サブカルチャー三昧で疲弊したトオルの心が一気に和んだ。
「そうだね。クレアはお買い物?」
「はい。家の冷蔵庫が空っぽなのでぇ、買い出しに来ましたですぅ」
「ひとりでかい? 保子莉さんは?」
「お嬢さまはぁ家でお仕事中なのでぇ、今日はひとりでお買い物ですぅ」
「仕事って、もしかしてアルバイト?」
「いいえ。ちゃんとしたお仕事ですよぉ」
バイトならともかく、仕事というからには、きっと生活していくための糧としているに違いない。しかし人にはそれぞれ事情があるのだと、トオルはあえて保子莉の仕事内容には触れず、トートバッグに視線を注いだ。
「ひとりじゃ大変だろうから、僕が持ってあげようか?」
「そうですかぁ。それではぁ、お願いしますですぅ」
片手で差し出されたトートバッグを受け取った瞬間、ずっしりと腕に負荷が掛かった。いったい何が入ってるのかと、バッグの中身を覗き見れば……お菓子や野菜を始め、卵、肉、魚に加え、5キロの米袋までが詰まっていた。
「ウフッ。やっぱりトオルさまは優しいですねぇ」
「そんなことないよ」
本音を言えば、隣で幼い女の子が大きな荷物を抱えてヒョコヒョコと歩かれていては世間的に気まずく、肩身が狭いだけなのだ。
「人様の目なんか気になさらないでくださいなぁ。それにこうしてトオルさまとぉ一緒に商店街を歩けるだけでぇ、クレアは幸せなんですからぁ」
本人が良くても、決して世間は許さないだろう。
「ところでトオルさまぁ。今日の晩御飯は牛丼屋さんですかぁ?」
隠しごとが通用しないクレアの読心術。こういうときは会話が楽で助かる。
「うん。今夜は母さんも用事があってね。家に帰っても夕飯の準備がされてないんだよ」
その敷常家の都合を聞いて、クレアが瞳をキラキラ輝かせた。
「それでしたらぁ、ウチに晩ご飯を食べにきませんかぁ?」
「いや、でも急に押し掛けたら、保子莉さんに悪いし……」
「ぜんぜん大丈夫ですよぉ。それにお嬢さまがぁ、どんなお仕事をしているかぁ、気になるでしょ?」
否定できない上に、これといって断る理由が見当たらなかった。
「そういうことでぇ、今夜はうちでご飯にしましょ!」
と、有無を言わさず即断するクレア。そしてトオルの手をギュッと握ると、公衆の面前で即興ソング『トオルさまとご飯♪』を元気に歌い始めた。その音程が外れた無邪気な歌声に、見知らぬ通行人たちから微笑ましげな視線を送られていたのだが……言うまでもなく、この子供が成人した女性であることを、誰一人知る者はいなかった。
「ただいまぁですぅ♪」「お邪魔しまーす」
居間の扉を開けて元気いっぱいに帰宅を告げる幼女に続き、トオルも遠慮がちに敷居をまたいだ。初めて訪れた同世代の女の子の家。緊張しないほうがおかしいだろう。しかも宇宙人の住まう家。いったい中はどんな様相なのかと、訪問してみれば敷常家と違う匂いがするだけで、地球の一般家屋と大差無かった。
――意外と普通なんだ
すると丸ちゃぶ台で書き物をしていた保子莉が顔を上げた。
「おかえり。意外と早かったのぉ」
「はい。トオルさまに荷物を持って頂いたのでぇ、大助かりでしたぁ」
幼女はそう応えると、トオルからトートバッグを受け取り、台所へと消えていった。
「まぁ、立ってないで楽にしてると良い」
ボールペンで対面を指し示す彼女に言われるがまま、真向かいに腰を下ろしていると、幼女が氷の入ったオレンジジュースを持ってきてくれた。
「ありがとう。クレア」
「どういたしましてですぅ。もし他に欲しいものがありましたらぁ、愛を込めて念じてくださいねぇ」
そう言ってスキップしながら台所へと戻っていく幼女。トオルはその可愛らしい背中を見送ると、保子莉の仕事振りを拝見することにした。
かわいい猫のイラストがプリントされたTシャツと短パン。長い黒髪を後ろでまとめたポニーテール。顔を傾けて一生懸命にペンを走らせるその姿は、ごく普通の少女であり、とても長二郎を去勢しようとした女の子とは思えなかった。
――こうして見ていると、可愛いのになぁ
そんなことを思いつつ、ちゃぶ台に並べられている缶詰に目を滑らせた。
ラベルの無い地肌むき出しの缶詰。表面には10桁以上の英数字が記され、その内のいくつかが開缶され、横に添えてある陶磁器の皿の数とフォークの汚れ具合からして、彼女がそれらを食していたことが判断できた。そして当の本人と言えば……時折、缶詰めと睨めっこをしながら黙々とレポートのようなものを書き綴っている。
「クレアから仕事だって聞いたけど、もしかして缶詰を食べることが仕事なの?」
すると彼女はペンを止め、チラリと目線を持ち上げた。
「正確には食品サンプルのモニターと言ったほうが良いかのぉ」
「ふーん」と相槌を打ち、何気にレポート用紙を覗き見ようとした途端、保子莉が目にも止まらぬ早さで裏返す。
「これらは企業秘密じゃから、他人に見せるわけにはいかんのじゃ」
「ご、ごめん。でも別に悪気があったわけじゃないんだよ」
「悪意があるとは思っておらん。しかし万が一、情報漏洩などしようものならば、メーカーの信用を失うことになりかねんのでな。気を悪くせんでくれ」
そう言われ、トオルは自身の軽率な行動を反省した。缶詰を食する仕事とは言え、彼女はその労働を行うことで対価を受け取っているのだから、機密保持に関して神経質になるのは当然のことだった。が……
「いや、金銭なら謝礼程度しか受け取っておらんし、むしろ現物支給が大半じゃ」
生活をしていく以上、お金が全てだというのに、なぜ現金報酬ではないのだろう。
「どうやら納得しておらんようじゃな。ならば教えるが、これら全ては猫食用の缶詰めなのじゃ。と言っても、ここにあるのは試作品でのぉ、早い話がわらわの意見を参考に、メーカーが製品改良や新商品の開発をしておるのじゃ」
そう言って開缶前の缶詰をペン先でコツコツ叩く保子莉。企業の売り上げ貢献。そんな裏話に、トオルが半信半疑で眉根を寄せていると
「その顔は信じておらんようじゃな。こう見えても、わらわは貴重な逸材でのぉ、各メーカーから引く手に数多なんじゃぞ」
猫娘自らが食べてレポートを書いていれば、当然の結果だろう。
「それで、メーカーは保子莉さんが猫だって知ってるの?」
「知るわけがなかろう。だが、わらわと契約を結んでおるメーカーの商品は地球の猫たちには大人気でな、結果的にわらわの舌に絶対的な信用がおかれておるのじゃ。若干、記憶操作をしておるとは言え、その信用を元手に廃棄品となった猫食製品を頂いておるというわけじゃ。ちなみに美味しすぎると廃棄量が減るのでな、少しだけレポートに細工を施しておる」
ドヤ顔をして語る不正操作に、トオルは苦笑いするしかなかった。
「でも、そんな食べれない廃棄品をもらってどうするの?」
「食べれぬわけではないぞ。賞味期限が切れておるだけであって、味はほとんど変わらん」
それら廃棄品の全てが彼女の食事を賄っている。とは言え、廃棄品だけではお腹を満たすことはできても、生活などしていけるはずがない。となれば……
「まさかと思うけど、その貰った廃棄品を転売しているとかじゃないよね?」
「あながち間違ってはおらんが、何も地球で売っておるわけではないぞ」
当てずっぽうで述べた違法行為を悪びれることなく堂々と認める彼女に、トオルは訝しんだ。
「もしかして、宇宙とかで売ってたりするの?」
賞味期限の切れたネコ缶だ。もし売るとするならば、地球外でしかないだろう。と冗談のような質問を投げかけてみれば……
「勘の鈍いおぬしにしては察しが良いな。その通りじゃ。実はこれが宇宙の猫族には大評判でな。地球の年号など知らぬから、賞味期限が多少切れておっても飛ぶように売れてのぉ、そのおかげで借金も完済し、このように悠々自適な生活をしておる」
と得意満面な笑みを浮かべる彼女。いったいどれほどの高額で売り捌き、どれだけの暴利を貪っているのか。しかも缶がへこんでいたり傷ついて痛んでいるほど、買い手がレア物だと勘違いしているというのだから、猫族宇宙人が地球のネコ缶にどれだけの付加価値を見出しているのか皆目見当も付かなかった。いずれにしても、自力で生計を立てている以上、親元でぬくぬくと生活しているトオルが非難できる立場ではなかった。
「保子莉さんって、商才があるんだね」
「生きていくためじゃからな、当然のことをしておるまでじゃ。わかっておろうが、このことは他言無用じゃぞ」
こんな話を地球人の誰かにしたところで、到底、信じてもらえないだろう。ちなみにここだけの話だが、地球通貨の入手方法においては、某大国の某組織と交わされている密約により、銀河系共通為替の相場にて管理されているらしいのだが……これも誰かに口にしたところで、やはり相手にしてくれるはずがない。
「さて、せっかく遊びに来たのじゃから、仕事の話はもうやめじゃ。それで夕食くらい食べていく時間くらいはあるのじゃろ?」
そう言って保子莉がちゃぶ台の上を片付けていると、幼女が流し台から身を乗り出した。
「そのつもりでぇお誘いしましたですよぉ。構いませんよねぇ?」
「もちろんじゃ。クレアが誘ったのならば、食事代を請求するような無粋な真似はせん」
クレアが言わなければ、要求するつもりだったのだろうか。すると保子莉がちゃぶ台越しに身を乗り出してきた。
「ところでトオルよ。あえて訊かずにおったのじゃが、その後、深月との仲はどうなっておるのじゃ?」
彼女の直球の問いに、トオルは面食らった。
「こ、これといって、まだ進展はないけど……でも、ここ最近は保子莉さんたちがいない時でも、話をするようにはなってきたよ」
もっとも二言三言を交わす程度なのだが。
「ふーん。ということは……まだキスもしとらんのか?」
「告白どころかRINE交換もしてないのに、いきなりキスなんかできるわけないじゃないか」
すると何を思ったのか、彼女が台所に向かって声を投げた。
「おーい、聞いたかぁ。クレア? まだキスもしとらんそうじゃぞ」
「口にしなくとも、そのくらい知ってますですよぉ」
大声で交わすふたりのやりとり。……できれば、そっとしてほしいのだけど。
「つまらんのぉ。まぁ、自分の人生じゃから、おぬしの思った通りに行動すれば良いわ。わらわたちが、あれこれ言う筋合いでもないしのぉ」
保子莉から興味の色が消えたことに、安心するトオル。……というよりも、なんでそんな話に転がったのか意味がわからないのだが。
「あの……前から思っていたんだけど保子莉さんって、いつも考え方がクールっていうかドライだよね?」
「そうかのぉ? わらわ自身、これが普通だと思っておるし、それにこれと言って他人からとやかく言われた覚えもないがのぉ」
「でも僕からすると、物事に対して割り切れてる感じがするんだけど?」
普段から親友を含め、周りの同級生が大人っぽく、また保子莉も自立した考えをしっかり持っているのだ。単に自分が幼すぎるのか、それとも無知なだけなのか。そんな風に自身を卑下していると……
「買い被りすぎじゃ。第一、わらわはまだ15歳であって大人といえるほど人生を悟ってはおらんぞ」
実年齢が同い年だったことに正直、驚いた。
「何じゃ? まさか体が小さいからといって、年下と思っておったのではあるまいな?」
その逆だ。すでに自立をしている宇宙人だから、てっきり年上なのかと思っていたのだ。そうなるとクレアの年齢も気になるところなのだが……
「この星では、レディに歳を訊くのはマナー違反だと聞いておるが?」
ここに至って地球の常識を持ち出し、軽蔑の眼差しを向けてくるのはなぜなのだろうか。すると幼女が流し台の向こうから口を挟んできた。
「地球人年齢で18歳ですよぉ。トオルさまよりぃみっつ上ですけどぉ、もしかして年上はお嫌いですかぁ?」
口説きを匂わす色っぽい自己申告に、トオルはグラビアモデル顔負けの姿態を思い浮かべた。
「いえ、べ、別に……嫌いじゃないです」
「あらぁ? またエッチなことを考えちゃってますねぇ」
溢れてしまった煩悩を読み取られては、返す言葉もなく、顔を伏せるだけが精一杯だった。
「若いのだからしょうがない。こうなると一日も早く深月をモノにせんといかんのぉ」
彼女の口から紡がれた大胆発言。それができれば、なんの苦労もないだろう。言うのは簡単だよ。などと気落ちしていると、保子莉が情けないとばかりにため息を吐いた。
「相変わらず器が小さいヤツじゃのぉ。男ならば、何を言われても笑い飛ばせるくらいにドーンと構えんか。まったく、その調子では深月との付き合いは到底、無理そうじゃな」
「そんな……」
見限る彼女の言葉に泣き言を漏らしていると、保子莉が前のめりになって顔を近付けてきた。
「おぬしの物腰の弱さを見て思うのじゃが、本気で深月と付き合いたいと思っておるのか?」
その不躾な質問に、トオルは口先を尖らせた。
「も、もちろんだよ。あるに決まってるじゃないか!」
とは言え、まだ告白するほどの勇気も度胸も持ち合わせていないのも事実。しかし彼女からしてみれば、それは口先だけにしか見えていないらしく……
「ふーん、その割にはノラリクラリしておるのぉ」
本来ならばそこで終わるような話のはずなのだが、そうは問屋が卸さなかった。
「仕方ないのぉ。良し! ならば、わらわが御膳立てしてやるわい!」
ナマ足を叩き、景気のよい音を響かせる彼女。なんだか、イヤな予感がする。
「そうじゃのぉ……たとえば、この家で勉強会をするというのはどうじゃ?」
目尻を下げて楽しそうに提案する保子莉に、トオルは露骨に嫌な顔をした。
「高校生にもなって、そんな小学生みたいな理由で誘うのはイヤだよ。それに、きっと一里塚さんも来ないと思うよ」
なにしろ相手はクラス委員長を務める秀才だ。声をかけたところで、鼻で笑われるに違いない。
「誘ってもいないうちから物事の結果を決めつけるのは、おぬしの悪い癖じゃ。とりあえず誘って参れ。ただし、勉強会の日程は来週末に予定しておくのじゃぞ」
「たかが勉強会なのに、なんで日程まで決める必要があるの?」
「まったく腹が立つほど鈍い男じゃのぉ。週末ならば翌日の学校とか気にすることもなかろうに。深月が帰ると言えば、送りオオカミになるも良し。逆に泊まると言うならば、この家の風呂でも客間でも、好きな場所を自由に使わせてやる」
息荒げにまくし立てる保子莉に、トオルは及び腰のまま逡巡した。
「そ、そんな大胆なこと……」
「場所の提供までしてやると言っておるのに、踏ん切りの悪い男じゃのぉ。見ているコッチがイライラするわい!」
今にも噛みついてきそうな勢いだった。
「わ、分かりました。さ、誘います。一里塚さんを勉強会に誘うから、落ち着いてよ、保子莉さん」
すると踏み台を抱え、大型冷蔵庫の前に移動するクレアが笑いながら忠告する。
「お膳立ては結構なのですがぁ、今のトオルさまのお体ではぁ、送りオオカミどころかぁ、ウサギにもなれませんですよぉ」
「そうじゃった。身体的に交尾の機能が備わっておらんかったわい」
顔を見合わせ、暫し沈黙するトオルと保子莉。そして……
「まぁ、そのぉ……取りあえず誘って参れ。オオカミになれんでも、ウサギ程度のキスくらいはできるじゃろうて」
その比喩にトオルが可愛いウサギ同士のキスを思い浮かべていると、クレアが冷蔵庫を開けながら大声で笑い始めた。
「クレアのヤツ。バカ笑いなどしおって、いったい何が面白いのじゃ?」
「さ、さぁ、なんでだろうね?」
陳腐な想像をしてしまった自分の幼稚加減を恥じていると……
「ところで交尾で思い出したのじゃが、食事の準備が整うまで再生中のおぬしの体を見に出かけぬか?」
「えっ、今から?」
「食事ができる頃までには、戻って来れるから心配せんで良い。それに、この機会に宇宙医療の技術を見ておいて損はないと思うぞ」
ちょっと散歩に出かけようって感じの彼女。限られた富豪、もしくは選ばれしエリートしか行くことのできない宇宙。しかも短時間で往復できる上に、宇宙人のガイド付きとくれば戸惑うはずがない。
「行く!」
「うむ。ならば早速、出かけるとしようぞ。おーい、クレアよ。ちょっと船に上がって、トオルに再生体(さいせいたい)を見せようと思うのじゃが良いかのぉ?」
「私の立会いがないと規定違反になりますけどぉ、今回は特別に許可しますですよぉ。ご飯のほうは出来上がり次第、お呼びいたしますのでぇ気兼ねなくどうぞですぅ」
「と言うわけでトオルよ。わらわと一緒に宇宙へ参るぞ」
立ち上がる保子莉に連れられるように、トオルは残ったオレンジジュースを一気に飲み干すと、空になったグラスをちゃぶ台の上に置いた。
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