第10話 わ、私の研究の成果が……
死神さんの指した7七
いや、もしかしたらこの先、死神さんが、明確な対応策に引っかからないような独特な手を指してくる可能性もあります。僕は、しばらく逡巡した後、6二
そう、これが、鬼殺しに対する明確な対応策。この手によって、鬼殺しは封じられたも同然。さあ、死神さんは一体どんな手を指してくるのでしょうか。期待と不安の両方を背負いながら、僕は、死神さんの次の手を待ちました。
「……あ」
何かに気が付いたような呟き。その声の主は、死神さん。僕は、思わず盤上から顔を上げ、死神さんの方に視線を向けます。僕の目に映る死神さんの顔は、明らかに歪んでいました。ぎゅっと唇を嚙み、悔しそうにしています。
……いや。いやいや。まさか……ね。
長考した末に、死神さんは次の手を指しました。駒を持つその手は、少しだけ震えているように見えました。
6五桂。
……はい、まごうことなき、普通の鬼殺しですね。
僕は、6四
「ううう……。わ、私の研究の成果が……」
唸りながら頭を抱えるその姿は、僕の思い描いていた死神の姿とはかけ離れたものでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます