122:お預けを食うカイエル
朝になり目を覚ましたセレスティアはカイエルに腕枕をされていた。そしてガウンは着たままであった。目の前にあるカイエルの寝顔を見て、(あ、まつ毛長いのね・・・)そんな小さなことを発見できたことに自然と笑みになったが、セレスティアは昨夜のことを思い返していた。
結局、昨夜はキスをして、それ以上のことはなかった。正確には、カイエルはヤル気満々で、セレスティアが着ていたガウンを少し胸の谷間が顕わになるところまではだけさせ、鎖骨までキスを落としていったのだが・・・そこまでだったのだ。
「セレスティア、怖いのか?」
カイエルはセレスティアは小刻みに震えていることはわかっていたが、一向に止まる様子がないので、聞いてみた。
「うっ・・・だって初めてで、何をするのかよくわかないから・・余計に怖いの・・・」
セレスティアは震えていた。それに目には涙をいっぱいに溜めて、何せこういった経験が全く今までなかったから、怖気づいてしまったのだ。一応そっち方面については何となく聞いたことはある程度だったことから、知識が乏しいのも要因であったのだろう。いざ始まってみると、未知の部分が多すぎてセレスティアは怖くて震えてしまっていたのだ。
「そうか・・・」
そういうと、カイエルはセレスティアのはだけたガウンを閉じてしまった。
「カイエル?」
「セレスティア、無理しなくていい。いきなり全部は、怖いもんな?」
カイエルは、セレスティアに怖い思いは当然ながらさせたくなかった。セレスティアの見た目は色気の漂う大人の女性ではあるものの、中身は初心な乙女であると、カイエルはわかっていたからだ。
「で、でも私カイエルを散々待たせたのに・・・」
「今更なにいってやがる。俺は500年飛竜やってたんだぜ?今様あと少しくらい伸びたってどうってことない。」
そういうとカイエルは二ッと笑っていた。
「だけど・・・!」
セレスティアは自分は覚悟はしているつもりではあったが、いざその場になって、弱腰になってしまった自分を不甲斐なく思った。だが、カイエルはそんなセレスティアを優しく抱きしめた。
「な?これから、ずっと一緒には寝てくれるだろう?もう別々で寝たくない。それならいいよな?」
カイエルは一度に事を全てしてしまうのは、セレスティアの負担だと思い、徐々に触れるところを増やして、馴れさせばいいと考えたのだ。
「カイエル・・・うん。一緒に寝るわ。」
「あーあと毎日キスはしたい。」
カイエルの中で、馴れさす第一歩としてキスは絶対に毎日しようと決めていた。
「ちょっ!!」
セレスティアは先程初めてしたばかりのキスだったのに、それがあっさりと毎日言われて抗議しようと思ったが、
「嫌か?」
カイエルの寂しそうな声のトーンとなんだかんだと自分を気遣ってくれたことをよくよく考えれば、キスも悪くないと思ったのだ。だが、そこは素直に言えずに、
「ばか・・・」
「いいんだな?」
「うぅ~~っ」
セレスティアは恥ずかしさでいっぱいいっぱいであった。カイエルはキスぐらいでこの反応なら、自分がしたいことをするには、やはり少し時間をかけてでも慣れさせようと、心に決めたのであった。
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