第67話 伝説の種族
2つの頭に、8本の鋭い鎌、巨体を支える4本の足。
頭が二つあるため、鎌による斬撃と風、土属性の魔法を同時に繰り出せる強敵だ。
弱点は、火属性。
なので、パワーアップを使用しフレイムセイバーを発動してからオーラブレードで攻撃。
これで何とか一撃だ。
ミストラルさんには【中級弓術】のフラッシュアローで目眩しと足止めをしてもらった。
2ヘッドマンティスを倒すと、魔石が2つと、風斬りの鎌が手に入った。
取り敢えずここでいったん帰ることにする。
朝昼夜の区分がないダンジョンに篭ってるとなんだか体内時計がおかしくなりそうだ。
ギルド本部にて、ダンジョン100階分の魔石やドロップ品を納品。
ワーズワースさんに怒られていた職員は『たった5日でこの納品? どっかの貴族に雇われた方が実入りがいいんじゃないんですか?』と言ってくれたが、『そうですね』、と適当に返しておいた。
◇◇◇
二日間の休みを入れて朝起きると頭が痛い。ぼーっとする。熱っぽい。
誰かこのしんどさを代わってくれないかなあ。
あ、そうだ。別にお願いしなくったって押しつければいいじゃん。
それができるのが僕の唯一無二のスキルだ。
そこで、風邪とか絶対引きそうにないヒュージスを連想して『健康状態』を交換してみた。
健康状態:極めて良好(←風邪)
ついでなので、後でレベルも交換しておこう。
レベル:96(←145)※次の日
よし、これですっきりして『鋼鉄の絆』に挑める。
ヒュージスは頑強そうだから、今度から体調悪くなったら彼を頼ろう。
◇◇◇
今回は3日かけて2ヘッドマンティスを70回倒した。
僕のレベルは135まで上がった。
前回ホワイトドラゴンを倒し続けていた時、135からは何となくレベルが上がりにくい気がしていたから、70回で打ち止めにしたのだ。
LV:135
HP:31891/31891
MP:200/200
腕力:2217
体力:2051
速さ:2033
器用:1908
知性:1838
精神:1662
スキル
【生活魔法】
【上級剣術Ⅲ】【上級剣術Ⅱ】
【上級体術Ⅰ】【中級盾術Ⅳ】
【中級火魔法Ⅴ】【上級水魔法Ⅰ】
【中級風魔法Ⅴ】【中級雷魔法Ⅴ】
【中級光魔法Ⅴ】
【エクスペリエンスⅡ】【ラージⅤ】
【ストロングⅠ】【体力上昇Ⅴ】
【クイックⅢ】【クイックⅠ】
【コンプレクスⅡ】【器用上昇Ⅳ】
【知性上昇Ⅴ】【精神上昇Ⅳ】
【ドラゴンキラー】
【ライフレスキュー】
【スキル成長速度上昇Ⅱ】
【MP回復力上昇Ⅳ】
【レアドロップ率上昇Ⅳ】
【攻撃時MP回復Ⅲ】
【撃破時MP回復Ⅲ】
【高速詠唱Ⅱ】【詠唱時防御】
【不意打ち】【捕縛術】
【ステルスサーチ】【隠蔽Ⅳ】
【トラップシーカーⅢ】
【上級錬金術Ⅱ】
【毒耐性Ⅳ】【睡眠耐性Ⅳ】
【沈黙耐性Ⅱ】【麻痺耐性Ⅲ】
【暗闇耐性Ⅳ】
【弱者の意地】
固有スキル
【交換Ⅳ】
ワーズワースさんに怒られていた職員は『3日で140個のA級ボスの魔石…… というかどうしてクラウスさんの納品の時に当番なのかなあ……』とぼやいていた。
次どこへ行こうかな、と考えてきたとき、ギルドを通じてスタン侯爵様から呼び出しがあった。
何かあったのだろうか。
しかも僕だけ。
◇◇◇
赴いてみると、スタン侯爵様の部屋に案内される。
「よく来たの。息災なようで何より。なかなかの成績を残しておるようではないか」
「はい、スタン侯爵様。お久しぶりでございます。侯爵様よりいただいたドラゴンブレイドのお陰でございます」
「アレはそもそも持ち主を選ぶものでな。一定以下のレベルでは振るうことすらできんのじゃよ。つまりお主が元々実力があるとも言えよう。ギルドでの成績も見ているが、特例でS級にしてもよいのではないかと声も出てきている。反面お主の実力を疑う者も出始めている」
「そんなことが起きてたんですね……」
「お主は特例など望まぬだろうから気にしなくて良いぞ。それで本題なのだが、お主に紹介したい者がおってな。エルフを知っておるか?」
「伝説上の存在だと思いますが…… 森に住み、長寿であらゆる魔法を使いこなしたという」
「ふむ。一般にはそうだな。だが、実在する。そして、彼の者はお主に興味を示してな。会いたいと言うのだ」
「何でまた僕に……」
「長寿だからな。珍しい物を見たいくらいにしか思っていないかもしれん。とにかく会ってみたいそうだ。ただ、エルフはみな【鑑定】スキルを持っているから、お主のスキルも見られてしまう」
「そうなんですか……。転生者といい、羨ましいですね」
「ナナ=ツキシマに会ったのか。転生者がみな【鑑定】スキルを持っているわけではないが、彼女は持っているな。で、エルフは我が国にも重要な存在なのでな、会ってほしいのだよ」
「拒否権は無さそうですね」
「まあな。エルフは争いを好まぬし、人間には基本干渉しないから、スキルを知られたとしても問題はないと思うぞ」
「なら、会ってみようと思います」
「向こうも人間社会のことは知っているから、無礼なことをしなければ大丈夫だ。早速ですまぬが、この地図の場所に行ってくれ。この地図はくれぐれも手放すなよ」
◇◇◇
看板も何もないただの家。
装飾品店『ダリの宝石店』のさらに奥にあった。
今までもダリの宝石店は訪れているが、こんな場所は全然記憶にない。
ドアの前に立つと、自然に扉が開いた。
これは入っていい、ということだろう。
足を踏み入れると、勝手に扉がパタン、と閉まる。
奥には、耳が長く尖った人型がいた。
見た目は緑の髪の長い色白な30歳くらいの女性のようだが、これがエルフ……
「あら、よく来てくれたわね。さあ座りなさい、クラウス」
すると僕の後ろに樫の木でできた椅子がいつの間にか現れた。
後ろを見てから前に向き直ると、今度はなかったはずのテーブルが現れていた。
「驚いているわね。あー楽し。ていうか君、薄いけど時の香りがするよ。道理でただの人間ではできないことをしているのね」
何を言ってるかわからない。
だが、侯爵様が無礼を働くなと言っていたので、とりあえず先に言われた通り素直に椅子に座ることにした。
「……始めまして、クラウスといいます」
「私の名はクラウディアよ」
◆◆◆◆◆◆
いつもお読みいただきありがとうございます!
63話でほのめかしていたエルフの出番です。やはり異世界ファンタジーには必須ですよね。
侯爵はドラゴンブレイドを振るうのにレベルが必要と言ってましたが、本当は腕力のステータスが一定以上なのが条件です。
なので、クラウスが交換で低レベルになってもドラゴンブレイドは使えます。
普通ならレベルとステータスは比例するので侯爵の言ってることが完全に間違い、というわけではないです。
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