第5話

「ねぇ、渉」

「あ?なに?」


夕日が2人を照らす坂道


「真生ってさ、高校どこ行くんだろ」

「俺もなんも知らないんだけど」


真っ赤に染まる空を見上げながら優が言った。


「やっぱ、俺らと別になるのかなぁ」

「俺には分かんないよ」


少し呆れて渉が言った


「だよねー」


少しの沈黙が続いた。

するとふと思い出したように渉の口が開いた。


「優はあの高校行けんの?」

「あのって、池田先輩が、行ってた?」

「そう、あと月崎先輩もね」


2人は同じ部活で、先輩との仲も良かった。


「まぁ…多分…行けると思う」


目を逸しながら言った


「多分かよ…」


また呆れたように、渋い顔をする渉。


「分からないとこあれば、俺に言えよ」


パッと明るい声で渉は言った。


「え!?渉教えてくれんの?!」

「少しだけなら」


優と渉も幼い頃から家族ぐるみで仲が良かったため、よく渉が優の家で勉強会をしていた。


「やったー」

「少しだけだからな!!」


優は笑いながら渉の肩に回した。

渉はそれに気づき、フッと笑いながら、優に言った。






「俺はいつでも、優の相棒だから」


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