第4話

「どうしたの?こんな所に呼び出して」


碧斗が放課後向かった先は、校舎裏

もう既に真生は着いており、碧斗は駆け寄った


「あのね、碧斗に言っておきたいことがあって」

「もしかして真面目な話?」

「まぁ、そのもしかしてなんだよね」


少し眉を下げて、真生は笑った。


「できれば、この話は、あまり人に言わないでほしい。特に優には…」

「うん分かった。」


自然と声のトーンが低くなった。


「俺、県外の音大付属高校に行く」


碧斗が目を見開いた。


「…。」

「俺、本当は…4人一緒が良かったっ…!!でもっ…父さんがっ…父さん…がっ…」


真生の目には涙が溢れていた。


碧斗と真生は幼い頃からの仲だった。

だからこそ、碧斗は今までどんなことがあったか、真生が何を抱えて生きているのか知っていた。もちろん父親の性格も。


「そっか。そんなことがあったんだな。ごめん気付けなくて」

「ううん。碧斗は悪くない…」


真生は碧斗の胸に顔を埋めた。



「ねぇ、真生、正直に言って。ほんとに一人で行ける?」

「分からない。でもみんなと離れたくない」

「もし、俺が真生についていくって言ったら…?」

「えっ…そしたら…」


真生が顔を上げた。


碧斗は微笑んでいた。





「俺は、いつでも真生の隣に居たい」

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