第1話

「おーい、沖田くん?起きてますかー?!」


中学3年の秋。3年4組では、国語の授業をしていた。


「ちょ、沖田、起きろ!先生にバレてるって!!」


後ろの席の真生が椅子を蹴る。


「ふぇい?!!!!!!」

「おはよぉ〜沖田くん」


居眠りをしていた沖田に天宮先生は怒りのオーラを放ちながら微笑んだ。


「ほんとさぁ、もうすぐ受験なのに、なんなの?その態度は?!」

「はぁ…すいません…」


沖田 優(おきた ゆう)は真生と同じ小学校の仲で、国語が苦手。ついこの前も模試や小テストの点数が上がらないと頭を抱え込んでいたがしかし、この授業態度だ。


キーンコーンカーンコーン


「それじゃあ、今日はここまで!!」

「起立ー礼ー」

「ありがとーございましたー」


授業が終わと、教室は賑やかになった。


「ちょっと沖田、寝てたら内心も下がるよ」

「真生〜分かってるもんそんなことぉ〜」


真生は優の机によっかかりながら、話を進めた。


「あ、あと、【すいません】じゃなくて、【すみません】だからね。これ常識。」

「あー!!!それ、池田先輩も言ってたわーー!!」


なんてどうでもいい話をするのが真生にとって1番楽しかった。

「友達」の一言では表せない、この距離感がたまらなく好きだった。

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