夜桜 〜さよならの数〜

結城 うか

プロローグ

高校2年の春。もう桜の蕾も膨らみ、ちらほら花が見られる今日この頃。


真生まお〜おはよ〜」

あくびをしながら歩いてきたのは、学校トップクラスの美少年、一ノ瀬 碧斗(いちのせ あおと)


「おはよ。1限目ってなんだっけ」

その隣を歩くのは、学校トップの天才の相川 真生(あいかわ まお)

  

「さーね。真生は頭いいから大丈夫でしょ。」

「そういう事でもないんだけど…」


他愛のない話をしていると碧斗のスマホが鳴った。


「お?渉からメッセージだ」


【やっほー!!あおお!!こっちは、明日テストおわおわだから久しぶりにオンラインゲームやらね?夜に😊】


とテンションがよくわからない文章が画面で踊っていた。


「また、変なニックネーム増えたんだけど…」


少し冷めた目でスマホを見つめる碧斗


「ふぉえ〜渉かあ、懐かしい〜!」

「ちょっと、何勝手に見てんの!」


覗き見をした真生に碧斗がチョップをした。


「え!?痛い!!!碧斗、ひどっ…!!!」

「お前が悪い」


なんて言いながら碧斗は、返信する手を早めた。

渉とは小中学校の同級生。今、碧斗と真生が通っている高校、音大付属高校とは、別の高校に通っている。


(碧斗、渉と連絡取り合ってたんだ…そういえば、あいつも同じだったなぁ…」

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