第21話『静和』

あの夜の彼女の言葉が

何度も 

夢の中で繰り返しているんだ


やっと眠る事覚えたのにね


自分の過ちにさえ気づかなかった俺の たったひとつの心残り…


何故互いを想えば想う程 

ふたりは無口になるのだろう


その理由さえ 

知らない振りを演じていた


それが優しさだなんて 

何時の間にか

信じ込んでいたんだ…


俺が言葉を失くす理由は 

彼女に何も与えられない事


そして 

君の沈黙は俺が造りあげたもの…


このまま 

何処へ辿り着くのだろう


後何度 君を抱き締めるのだろう


君の涙に口付ける事が 

あたり前にならない様に…


祈りたいんだ…





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