第15話:醜態

長篠の戦いの勝利後、正式にガレオン船の建造が始まった。船の寸法を計り、設計図を書き、船大工たちに指示を出しながら、着々と進めていた


「ところでフランキ砲の首尾はどうだ。」


「えぇ、順調に進んでいます。」


フランキ砲の方は順調に進めていた。原物さえあれば、腕利きの鍛冶職人を結集して作れば問題ない。だが俺は1つ細工をした。砲身内にライフリングを施したことである。施条を施すことで直進性を高め、弾丸速度と命中率を上げる効果がある。試しに火縄銃や火打石銃にも施そうとしたが、弾速低下、射程や威力の低下、装填が困難になったことで、火縄銃と火打石銃のライフリング案は失敗に終わった


「この大砲だけは成功させるぞ。」


歴史上にライフリングを施した後装砲が存在することから成功するとは思うが、油断はできない。期待と不安が入り交じる中、ついにライフリングを施したフランキ砲が完成した


「おぉ、完成したか。」


「はい、まだ試作品ですが・・・・」


「うん、まずは撃ってみるか。」


堺奉行の許可の下、試し撃ちが行われた。砲身を掃除し、玉を込め、セッティングをし、準備完了した。俺たちは耳を塞ぎ・・・・


「放てえええええ!」


火をつけると、轟音を鳴らし、直進に飛び、はるか遠い距離に着弾した。近づいてみると、地面が抉れ、大きな穴が空いていた


「うん、これは凄いぞ!内蔵助、織田様は大層、お喜びになるぞ!」


「えぇ、大成功です!」


思わず俺も興奮した。間近で大砲の威力を肌で感じたのだ。俺たちは早速、信長に新兵器が開発した事を知らせると、その数日後、側近を引き連れた信長が駆けつけた


「宗久、利三、面白き物が開発したそうだな。」


「はい、南蛮渡来のフランキ砲を製造いたしました。」


「うむ、見せろ!」


俺たちは早速、ライフリングの施したフランキ砲を信長に披露した。信長は初めて見る大砲に目を輝かせ、早く撃ってみろと命令した。俺たちはセッティングをし、合図をした、信長にも耳を塞ぐよう言っておいた


「放てえええええ!」


轟音が鳴り響き、はるか遠い距離に着弾した。信長は着弾した場所を馬で走らせると、地面が抉れ、大きな穴が空いたのを確認したら・・・・


「うむ、これは国崩しに相応しい代物だ!早速、作らせろ!」


「「ははっ!」」


俺たちは信長の許しを得た後に、ライフリングを施したフランキ砲の製造を開始した。信長にライフリング、いや施条を施したことで威力だけではなく、直進性を高め、弾丸速度や命中率を向上させることや、陸上や海上で使用できることを説明したら・・・・


「うむ、これさえあれば陸でも海でも、石山の坊主どもを震え上がらせる事ができるのう。」


長年対立していた石山本願寺に対して、このライフリング式のフランキ砲を使うようだ。今度は持ち運びができるように車輪を着けて、持っていこう。一方、信長は喉が渇いたようで今井屋敷にて、茶を飲んでいた


「宗久、南蛮船が完成した暁にはあの国崩しを使おうと思う。」


「はっ、石山本願寺だけではなく、毛利との戦でも使えましょう。毛利には村上水軍がいますからな。」


「うむ、毛利に我等の力を見せる時だな。」


信長は武田との戦に勝ったことで、自信を深めていた。だが武田は完全に滅んだわけではなく、越後の上杉や関東の北条に頼るかもしれん。その前に邪魔な石山本願寺に一泡吹かせてやりたい


「宗久、手始めに国崩しを石山本願寺にて試し撃ちをしたい。」


「はっ!早速、製造いたします。」


「うむ、頼むぞ。」


「ははっ!」


俺はというと、ライフリング式のフランキ砲の生産を努めていた。信長から莫大な金を前払いで頂いたので最高の物を提供したいと思う。信長は石山本願寺にてこのフランキ砲を使うに違いない。石山本願寺との戦にはいつでも使えるよう準備を進めよう


「大砲にガレオン船、やることがいっぱいあるな。」


多忙の中での俺の癒しは可愛い嫁と息子である。俺は41になる。息子の幸松が成人するまでは何としても長生きをせねばならぬ。それと同時に楓ともっとイチャイチャしたい!もう1人子供を作りたいというスケベ心が俺を動かしている


「新名様は一段と働いておられる。」


「新名の旦那は他の誰よりも大砲と南蛮船の建造に執着しておられるからな。」


「流石、勢いのある人のやることは違うぜ。」


職人たちから尊敬の眼差しを向けられる一方で内蔵助は・・・・


「待ってろよ!(愛しい楓よ!今度は女の子にしよう!)」


そして作業を終えた後に、屋敷へ帰った。帰ると我が妻、楓と息子の幸松と奉公人たちが出迎えてくれた


「旦那様、お帰りなさいませ。」


「「「「「お帰りなさいませ!」」」」」


「今すぐ抱きたい(うん、今、帰った。)。」


「「「「「「は?」」」」」」


ん、俺、今、何て言った。すると奉公人たちからクスクスと笑いが出て、楓は頬を赤く染めていた


「旦那様、もうお望みですか。」


「えっ。」


すると伝兵衛が楓の代わりに喋った


「旦那様、いきなり抱きたいとは仲睦まじいことですな、ですが物事には順序がございますよ(笑)」


伝兵衛はニヤニヤしながら俺に言ってきた。俺も頬を赤く染め、恥ずかしさでいっぱいになった


「さあさあ、まずはご飯にしましょう。」


「うむ。」


俺は飯を食べたが、モヤモヤした気分だったため、料理の味が分からなかった


「さあ、今度は風呂にございますよ、まずは垢と汗を流しましょう。」


「うむ。」


風呂に上がり、楓が風呂に入った。俺の息子は今にも敵陣に乗り込むような猛々しさに溢れていた。俺は自分の中の煩悩と戦いつつ、楓が来るのを待っていた


「旦那様、お任せいたしました。」


そこへ風呂上がりの楓が入ってきた。俺の理性がギリギリまで削られ、今にも抱きたいと思った。楓は頬を赤く染めながら俺に近づき・・・・・


「旦那様、今日はいっぱい可愛がってくださいまし。」


楓の一言に俺の分身は理性がプッツンと切れ、楓を押し倒した


「楓、愛してるぞおおおおお!」


俺と楓はハッスルしまくった。我ながら元気だな、俺は・・・・





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