雑談
それからは俺が朝食をとりつつ、夏海と雑談になる。(彼女は自分の部屋で食べてから来ているらしい)
「うちのクラスのね、おさげでメガネの友達がねー、今度年上の彼氏とディズニー行くんだって!」
「へぇいいじゃん」
この雑談時間はほとんど夏海の話を俺が聞くというのが定番だ。
そして、おさげでメガネのオタクっぽい友達が彼女の話にはよく出てくる。
夏海は毎回とても楽しそうに話すから、1度会ってみたいものだ。
「でしょ?私、ディズニーランドって行ったことないんだよね!」
「あぁ、そういや俺も無いな」
そこで会話は何故か止まった。いや、止まったと言うよりなにか言うのにタメを作っている感じだ。
「…なんだよ」
聞かれるのを待っていたように夏海は口を開いた。
「う〜ん?ほらさ、ディズニー1回は行ってみたいなぁって」
夏海は瞬きを2回した。
「そうなんだ。いつか行けるといいな」
「えーでも行く人いないしなぁ」
両手の人差し指の先をくっつけもじもじしている。少し頬を赤らめている気もするが、気のせいだろう。
「あ…ごめん」
悪い事をした。まさか、夏海に友達が居ないなんて知らなかった。明るくていい奴なのに。
そうか。だからいつもおさげ女子の話ばかりしてるのか。
「え、ごめんって…?」
「いや、だから夏海に友達が1人しかいないのに無茶なこと言ってごめん」
「はぁ!?まってまってちがうちがうちがう!!なんでそうなる!?」
彼女は大変ご立腹のようだった。気を使って謝った事が逆に惨めな気持ちにさせてしまったのかもしれない。
「でも別に友達の有無なんて些細な問題だと思うし気にしすぎないほおがいいと思うぞ」
「いや!ちがうんだってー」
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