【其の6】優しい贈り物
「お風呂溜まったよ。」
水位の様子を見に行った彼がベッドで気怠るそうにしている私に声を掛けた。
「珍しいね。いつもは僕の方が先に眠くなっちゃうのに。」そう言って私の頭を撫でる。
眠気が身体中を包む中、うっすらと開けた瞳の隙間から彼が微笑んでいるのが見えた。
「おいで。一緒に入ろう。」そう言って両手を差し出している彼に抱きついて甘える。
彼の引き締まった腕の中が心地良く離れられなくなった私の様子を見て、彼が頰をすり寄せる。
この瞬間、私は彼に身も心も委ね、ほんの些細な肌の触れ合いの中に大きな幸せを感じられることに感謝するのだ。
私は神から受け取った最高の贈り物を再び抱きしめた。
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