4-1 開催!セルンド祭り

「うんうん、それでそれで?」


 俺ユウキがこの世で嫌いな人種。その1つに朝一番から異常なまでのハイテンションでいる人だ。

 まぁここに1人神居るんだけどね。


 武器屋で剣を作って貰ってから一週間が経った。その間ヒカリの家に泊まっているのだが…。


「それでね、もうヒカリったから「プギャー」なんてみっともない声出してるのよ。あー今思い出しただけでも笑えてきちゃう。」


 家はどうやらヒカリとヒカリの姉のユナさんと2人で住んでいるようだ。

 そしてこの話題に出てくる当の本人はというと…


 「2人ともウザイ。」という言葉を残し、外に行ってしまった。

 それにしても2人ともヒカリの昔話で1週間も語るとは。恐ろしい。

 俺はどんなに自分語りしても2日も行かないぞ。


(それにしても暇だなぁー。)


 もちろん、暇だとは言っているが今俺は泊めてもらっている身だ。ギルドに行って仕事をこなしてくるし家事もほとんどは俺1人でしている。


((それにしてもこの街の仕事少ないよな。))


 そう、龍が言った通り異常なまでもの仕事の少なさ。

 だってもうギルドの仕事は受けれる範囲は全てこなしてしまった。

 名誉や実績のない人間は最低でも丸一日までのクエストしか受けれない。


 昨日武器屋に行ったらおっさんは剣の素材を取りに出かけてしまいあと一週間は帰ってこないと張り紙が出ていた。


 よって行き場を無くした俺はヒカリの家で自堕落な生活を送っている。

 一応前世?でも自堕落な生活を送る為に高校を辞め、秋田で一人暮らしを始めた。

 そう!今俺はまさに願っていた生活が送れているということ!

 こんな素晴らしい生活を邪魔されようものなら必死に足掻いてみせる。


「そうだ、インドラちゃん。明日はアレの日だし久しぶりに外で活動させてくれば?」


「確かに…。ここ最近はニート化してるしちょどいいかもね。」


 そんな2人が俺を見てくる。まぁ、そうなるよな。つーかアレってなんだろう。


 そんなこんなしない内にヒカリが帰ってきて、いい時間になったので晩御飯を作り、ゆっくりと過ごし寝た。


 その間ヒカリはまだ姉のユナさんにブチギレ中であり、ご飯を食べたら速攻で自室に帰っていった。

 思春期の娘か!



「起きろ、おーい。起きろって。」


 目を開けたら普段俺が起こすまで起きないインドラが俺を起こしに来ていた。


 俺は女性陣とは寝るのを拒まれているのでリビングに置いてあるガッチガチのソファで朝を迎えている。


 ふと視線を逸らすと既にヒカリは起きていて不貞腐れながらパンを口一杯に含んでいた。


「ユウキ、もう時間ないから速く朝食済ませて。もーヒカリもそんなチンタラしてたら間に合わないでしょ!」


 珍しく、いや、初めてインドラがお母さんみたいなことを言っている。


 俺は何が何だかわからないまま身支度をした。


 ちなみに準備中にパンを口に詰め込まれたので漫画でよくある「いっけなーい、遅刻遅刻!」気分を味わえた。


 「はい、剣持って、行くよ!」


 インドラは俺とヒカリの手を引っ張りながら外に出た。








「・・・で?この状況について何も聞かされていないんだけどどういうこと?」


 俺たち3人は街の中心部にある大広場にやってきていた。

 しかしその大広場はいつもと違ってわっしょいわっしょいお祭り騒ぎ。


 いや、祭りだ。

 もちろん最近よく見るギルドを始め街全体は装飾やら屋台やらと祭りに力を入れているのがよくわかる。


「今日はね、セルンド祭りっていう祭りをやるの。その祭りは昔は豊穣祭だったんだけどそれより今は少しでも街の知名度を上げるための祭りになってるの。」


 なるほど。そのまま冒険者をこの街に留めて国から支援やらを受け取ろう!っていう魂胆なのがバレバレである。

 そんなんだから一向に支援してくれないんじゃないの?


「そのセルンド祭りの名物はこれ!」


 インドラは勢いよく俺にチラシを見せてきた。



「セルンド祭りで一番人気なセルンド大喧嘩祭。優勝賞金は3000万テル。街の住民じゃなくても参加できちゃうぞ!じゃねぇよ。何このバカっぽいチラシ。」


「あ、この大喧嘩祭にユウキもエントリーしちゃった。」


 インドラはテヘっと言いながらエントリー表の俺の名前のところを指す。


「やってくれたな。つかこの大会の参加人数結構多いんだな。」


「まだまだ増えるよ。けど棄権する人が過半数を超えるから2回戦くらいで15人くらいしか残んないよ。だってね、ここの2人が強すぎるんだもん。」


 ヒカリが指した先に書いてあった名前は犬王女。と覆面の剣士。の2人であった。

 だが元日本人の俺からしたらわかる。この2人、転生者の類いなんじゃないか?


 確かに犬王女なんてダサい名前は普通つけない。

 が、ここの世界は意味の分からない単語がよく並ぶ。

 こんな都合よく読めるなんて逆に怪しいのだ。


 八百屋に行って人参のことをジャジャと言うんだ。犬王女くらい違和感なく読めてしまうのだ。


「まぁユウキの試合はお昼前の最終ブロックだから始まるまで屋台回ろ?」


 インドラが目をキラキラさせていて、最近我慢ばっかしさせていたので少しばかり屋台を回ることにした。




浮島うきじま 優樹ゆうき Lv.1

 能力《アビリティ》 ??

 技能スキル 無し

 剣技 肩並行斬 進化 肩斬

ビクトリースラッシュ

 魔法 【初級】     【中級】

    ファイヤー     ゲイル

    ウォーター     ライジング

    アース

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