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ちゃんと目を見て言えばいい

曖昧な言葉じゃなく はっきりと

『貴方なんか目に写っていない』って

その言葉を聞きたいとさえ思える

この感情は 貴女のせいだ

優しすぎるせいだ



分かっていたはずだった

僕は何も持ってなくて

貴女は何もかも思いのまま

対等な関係など築けるはずもなく


貴女の肩を掴もうと 伸ばした手が届かないまま

ねぇ…もう辛いから…ちゃんととどめを刺して



『本当は愛しているの…』 『今はまだ…』なんて

誤魔化したつもりなのか? たとえ本心だとしても

もう僕は信じることさえできない

待ち切れないから無理やり抱き寄せた



その時 思い切り僕の手を振りはらって

一発引っ叩いて逃げればよかったのに


『…苦しいよ…』


ちゃんと目を見て言ってよ

曖昧な言葉じゃなく はっきりと

『貴方なんか目に写っていない』って

気づけば自己嫌悪におぼれていた

本当はずっと貴女を好きだったのに

愛していたのに……

この感情は 貴女のせいだ

優しすぎるせいだ



『…もう少しだけ…そばにいて…。』

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