裏話(期間限定) 八話

【付録:裏話は年内中には削除します】


「学院長、王家とサンダー家からクレームが届きました」

「今年の一年一組は優秀だからひょっとしたらと思っていたが、二家ふたけからもあったとは。残りの北家と西家からはなかったのか」

「ええ、北家では三名、西家では二名が充填不足で参加できませんでしたから顕在化しなかったようです」

「では王家とサンダー家は一名が参加できなかったのはおかしい、魔石に不備があると」

「ええ、サンダー家はその通り魔石異常を訴えてきたのですが……、王家は全員がフィールドに入ったのです。二石を残さずに。そして金の魔石と銅の魔石が混ざっていたと充填済みの二石を提示してきたのです」

 学院長の顔色が変わる。

「この魔石です」

 金色に染まった魔石と銅色に染まった魔石を渡した。じっくりと見つめる学院長。

「確かにこの先割れの十字模様で間違いない……遂に、……ようやく見つかったのか」

「そのようでございます」

「そうか、エレノアか……」

「コホン」

「いやすまん。さきの大公のご令嬢エレノア様がそうだったのか」

「そのようです」

 学院長が恍惚とした表情で呟く。

「私たちをクリイタンシへお導きくださる」

                        「裏話完」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る