三十八話 セントラル大陸暦一五六五年 夏 六/九
六月二十六日領地対抗戦初日を迎えた。
セントラル学院競技場にて本日の最終戦の開始時刻十五時を待つ。フィールドは模擬戦と同じ南北が百メートル、東西が七十メートル。明日、明後日の準決勝、決勝も十五時開始。同一フィールド、同一サイドで戦える。前年優勝チームの優位性がある。十一時と十三時開始の場合は東西が百メートルになる。これは太陽の位置を考慮し逆光にならないための措置。
王家領の対戦相手は領地連合の一つ、王家から見て南西部に位置するクラーサ家とザイアー家の連合チームだ。侯爵家の二領地はサンダー領からみるといずれも西側に隣接する。
私たちの身に着ける防具とヘルメットは王家の色の黒で統一されている。女子の全員が偽装のためフェイスベールをしている。私たち補強五人組は正体を隠すため試合が終わるまで着けたままを通すが、王家領の女生徒は戦闘になれば各自の裁量に任せてある。
フィールド中央に両チームが集まる。王家領の先頭はリーダー役の
主審が箱から白いビブスを一枚取り出して王家領を担当する審判に手渡す。相手側は黄色のビブス。審判がビブスを掲げ、各チームに色を認識させる。王・女王役のピンクのビブスは両方同じ色。
充填する魔石がカラであることをお互いのチームに確認してもらう。王家領は二千個。
「二千個、問題ありません」
相手は両侯爵家で各学年三十人、五学年で百五十人と思っていたが、何と四百人ほどがいる。魔石の数も王家の数より若干少ないくらいだ。驚く王家領の人間に対し、意味ありげににやつく領地連合軍、補強がうまくいったのだろう。
一瞬、情報収集をぬかった自分の不用意さに腹が立った。しかしみんなには寄せ集めの混成チームに何人集まろうと今の王家領には敵わない、と思わせることが必要だ。実際その通りになると思う。それだけの訓練をしたつもりだ。
「烏合の衆よ、訓練で養った力を信じて」
フェイスベール越しに低い声を出す。
私の周りの空気が驚きから一変し、やる気の強い力があふれてきた。王家領メンバーに「烏合の衆」という言葉と共に自信が伝播する。
リーダー役のアンナが審判に話しかけている。魔石の数を聞いたのだろう。
「四百人分千六百個、問題ありません」と声を高めた。みんなに人数を分からせようとしたのに違いない。
各チームの魔石を判定する審判員が箱に詰め替え、箱に入ったビブスと一緒に何台かの一輪車で南北のエンドラインへ向かう。
準備ができたというサインの白旗が上がった。
主審がそれを確認して声を張る。
「両者、礼」
会釈して顔を上げ、自陣へ体の向きを変えて開始の号砲を待つ。観客の声も聞こえない静かさがフィールドに広がる。下に目をやるとアリがいた。思わず顔がほころぶ。
「用意、スタート」
号砲が鳴ると、一斉に南側エンドラインへ向けて走った。五百人の仲間がいる。守備側二〇九名、攻撃側二九一名。計ったかのように五〇〇名ぴったりだとアンナが点呼をした際に言っていた。
エンドラインを越えた先の机の上に魔石がおいてあった。
「落ち着こう、両手をつないで」
二千個の魔石の周りを二十一名が囲み手をつなぐ。
「深呼吸しよう……。火、水、風、土の順で魔力を込めるわよ」
みんなの顔を見る。正面のマイアの笑顔が自信にあふれている。
「手を離して、ハイ、息を吸って……、『火』を込めて」
瞬く間にほぼ四分の一が赤に染まる。
『水』『風』『土』と順番に魔力を込める。全部が染まった、と思ったが……。
「二つ残っている」
ジュリアが気付いた。色のない石が四色に交じって二つある。
「染まっていない二つを取って」
二つのそばにいたジュリアが渡してくれる。
――厄介な。こんなことが起きるなんて。
私の目に一つは風と銅が休眠中の金になる前の状態に見えた。さらにもう一つは水と土が休眠中の銅になる前の魔石。
――この魔石はルールに外れている。意図的に交ぜてあるのか、それとも偶然か。傷が何本か走っている。
詮索は後だ。私は決断した。
「手筈通り五年生から魔石を四つ持って審判に判定してもらってください」
「おう」
私の言葉に五年生が動き出す。
私はその間に金の魔石のなりそこないを錬成して金の残滓状態とした。そしてエレノアを探す。いた。
「エレノアさん、この魔石に金の魔力を込めてください」
エレノアが一瞬キョトンとしたが私の強い目に魔石を手に取り、金の魔力を込めた。私はもう一つの銅のなりそこないを錬成して魔力を込めて染めておく。
エレノアが手にする魔石は既に金色に染まっている。初めて会った日より格段に速い。二十日足らずでこの上達は驚異的ですらある。さすが王家一族、素質が高いのだろう。
「速くなりましたね」
「あなたのおかげよ、姿勢と呼吸法、そして毎朝の体操で魔力が伸びたわ」
「ではこの魔石もお持ちください」
私は銅の魔石も渡す。エレノアが笑顔で頷いた。
五年生が終わり、四年生、三年生、二年生、そして一年生が審判の前に並ぶ。魔石は一つも残らなかった。
「どういうことでしょうかねえ」
アニーの言葉に私は回答できない。誰も分からない。知っているのは仕込んだ人と命じた人だけ。
「今はこの戦いに専念しよう」
ジュリアの言葉に、私は力を込めて頷いた。
「ピンクのビブスを」
審判に四つの魔石を見せて女王のビブスを指定する。
五分も経たずに王家領五百人はフィールドに立った。攻撃隊が既に北側エンドラインへ到達しているようだ。戦闘が始まっている。
守備陣三十メートルあたりに土壁がそびえたち始めた。私たちは出来上がった壁を強化する。端まで終えると、中央に階段を作った。壁の上で迎撃する要員が全員上った。私たちも状況を確認可能か、リーダー役の二年男子に訊いた。
「今は問題ありません。全員で確認してもらってもいいです」
私たちは全員で上ってみることにした。
リーダー役のいる位置はほぼ中央、障壁は一メートル、その上にさらに一メートルのほぼ透明な氷壁が作られている。水魔法の上級、氷壁をマスターしている。そばに行くと、眺めがいい。眺望が利くこの位置で彼は指示を出す。私がこの中央の眺望をずっと占領しているわけにはいかない。席を譲り、東寄りの一メートルの障壁の場所へ移動し、その上にリーダーと同じような氷壁を作った。氷壁越しに様子を見る。
攻撃している王家領が強い。白いビブス三に対し黄色いビブスが二程度しかいない状況だ。散発的に何人かの黄色いビブスが白の壁を突破してこちらへやってくるが、途中で追いつかれ黒に染まる。
「一人ではダメね。ある程度集団になって突き破らないと」
「模擬戦をある程度やっていないとできない戦法よ」
「そうなっても、うちは模擬戦で対策を練ってあるから大丈夫よ」
「あら、そんなこと言ったら、やって来たわよ」
十五人程度の集団が白の分厚い陣を破ってこちらへ向かってくる。
「迎撃用意」
リーダー役が声を上げる。壁の上にも緊張が走る。
敵が後ろから白いビブスに攻撃されながらも耐えている。壁の下の近くまでやって来た。
「水魔法発射」
狭間から大量の水魔法が放出される。大量の水煙が上がる。
「撃ち方停止」
水しぶきの霧が晴れる。効いていない。全員で魔力壁を作り耐えたようだ。
「ナナ式魔力壁開始、ターゲットは先頭二人」
その名前は止めようと何度言っても無駄だった。誰が言ったのかいつの間にかついた魔力壁を魔力壁で分離して一人か二人ずつ倒す方式の愛称。
きれいに二人だけ分離された。狭間は五十カ所、東西に半数ずつで二人同時に倒せるようになった。模擬戦の成果だ。
「水魔法発射」
リーダーから命令が下った。訓練のたまものだろう、タイミングが計れるようになっている。
先頭の二人があえなく撃沈。地面に手を付いて土魔法を発動しようとしていたがそれも敵わなかった。
「ターゲット、先頭左の敵二人」
二人ずつ削られていく。さすがに敵も集団ではまずいと思ったのだろう、五人ほどになった時点で個別に動き出した。しかし上からの迎撃と後ろからの攻撃で残りの敵もビブスが黒ずんだ。
ドーン。
終了の号砲がなる。まだ制限時間の四十分は経っていない。攻撃陣が王を倒したのだろう。
攻撃陣から歓声が上がっている。壁の上も喜びが爆発した。
「やったぞ! 大勝利」
私たちもはしゃいでいた。そのままハイタッチを交わす。
「おー」
リーダー役の男子が雄叫びを上げて、人差し指を立て、腕を天に突きあげた。誇らしげである。
「やり過ぎ」
何か嫌な気配を感じた。下を見る、敗れた敵の一人が黒のビブスを脱ぎ捨て、持っていた木剣に念を込め始めた。赤茶色の魔力を剣に込めている。木剣の上辺が剥がれ細身になり金属の剣になった。
剣に風の魔力がまとわり出した。
――まずい。リーダーを狙っている。戦いの決着はついたのに、何て卑怯なことをするの。
目の前の氷壁を解凍する。新たに氷の壁をリーダーの前まで右手と左手から放出した。
バリーン・バリン、ズン。
剣が一枚目、二枚目の氷壁を破るがリーダーの氷壁に至らず落下した。二枚目の氷壁で威力は落ち、リーダーまでは届かなかった。
――よかった。間に合った。
私は作った氷壁を水蒸気にして消した。
ピー、ピー、ピー。
ホイッスルの大きな音と共に審判がフィールドに入って来る。無法を働いた生徒を連行していく。憎々し気な表情をリーダー役の生徒に向けたままだった。
「クラーサ家の次男だけど、次期侯爵と目されている三年生。負けず嫌いで有名よ。敗けたところにリーダー役のあの態度。思わず我慢できなかったみたいね」
クララの情報網は学年を超えている。しかしそんな癇癪持ちが次期侯爵で大丈夫なのか、サンダー領の隣だと思うと厄介の種にならねばよいがと心配になる。
一回戦が全て終わった。
西家対東家、西家の勝利。女王役はクロエではなく五年生の女生徒だった。
北家対南家、北家の勝利。王役は一年一組のジェームスが務めた。
サンダー領対南東部連合チーム。サンダー領の勝利。連合チームは百五十名で補強は行われていなかった。
王家領対南西部連合チーム。王家領の勝利。敵陣に二百五十名の大量の補強が行われていた。政治的な駆け引きとも現ナマが飛び交ったとの噂があるらしい。
明日の準決勝、第一試合十一時からサンダー領対北家。第二試合十五時から王家領対西家。王家領は今日と同じ南側に陣を張る。
「西家の情報を明日の朝までに調べてください」
私はアンナにお願いした。
「分かったわ。今日の試合では人数は二百五十名中、二名が充填できずに不参加、二百四十八名で戦ったそうよ。女王役は五年生の女子で水魔法が得意な子よ」
「西家のご令嬢クロエではなかったの」
「そうみたいね。東家の王のビブスを黒くしたのは三年一組のフィンリー君という火魔法の使い手みたいよ」
「タイラーさんは」
「ごめんなさい、そこまでは分からないわ。明日の朝まで何とか調べてみる」
金と銅の魔石が混ざっていた件はアナベル王女様と
「既に報告は学院首脳部へ届けたわ」
アンナに事務的に説明された。あまり興味はなさそうだった。
「明日はそんなことがないように厳重に申し入れてください」
「そうね。分かったわ」
「反省会では、今日の西家の状況の説明をして、情報があれば聞いてください」
アンナがふしぎな顔をする。
「今日、反省会はしないわよ」
「まさか」
「大勝だもの、そんな雰囲気ではないわ。……ごめんなさい。今までも当日反省会や翌日の作戦会議みたいなことはやったことないの」
そうか、以前は行っていたのが、今まで数の力で楽勝だったから、いつの間にかなくなったのかもしれない。今日の勝ち方からして反省会と言ってもだらけてしまうだけ。やらない方がましという結果が見えている。今までのやり方に慣れた上級生に強制はできない。
アンナが済まなさそうに私の前を去った。
夕飯時クララが私たちのそばに来てクラーサ家の暴れん坊のことを教えてくれた。
「二か月の謹慎処分だって」
「夏休み期間中、外に出られないのね。お可哀そうですが、自業自得よね」
アニーの口ぶりは明らかに可哀そうに思っていない。
「その暴れん坊君が他の侯爵家を誘ったみたいよ。今年の王家領はたいした力はない、リットンだって一年を牛耳られなかったのだから、それがトップの実力とは、たかが知れている。そのトップすらいない今年は下剋上するのに千載一遇のチャンスだって」
「札束が舞ったの?」
アニーが訊きにくいことをサラッと口にした。
「そこまでは分からないわ」
真相は明らかになりそうにないか。
「そう言えばクロエが女王役ではなかったって聞いた?」
ジュリアが反応する。
「え、そうなの」
「私も今さっきアンナさんから聞いたところ。クロエが女王役でもなく、攻撃でも防御でも全くと言っていいほど目立っていない。あとでみんなに話そうと思っていたの。でも反省会が開かれないと聞いてどうしようかと悩んでいるのよ」
「絶対必要よ、反省会はともかく明日の西家との戦い。クロエに何か秘策があるはずよ」
「そうね……、必要よね」
「でも場所が今からだと取れないわ」
クララが現実的な意見を述べる。
「この食堂に今いるメンバーだけでもいい、ここでやりましょう」
キッパリと言ったジュリアが立ち上がった。
「みんな聞いて」
大声を上げる。
「明日戦う西家の次期当主のクロエが今日の試合、女王役でもなく、まったくと言っていいほど力を見せていない」
ここ第二食堂には下級生がほとんど、上級生は第一食堂を主に利用する。寄宿舎の人数が多く一カ所では賄いきれない。どちらに行ってもよいのだが、必然的に部屋に近い方を利用する。
食事の手を止めて立っているジュリアをみんなが注目しだした。
「彼女の魔力は本物。魔力量も桁違いに多いわ。そんな彼女が目立たなかったのには理由があるはず。何か思い当たることがあれば何でもいいわ、言って」
ざわつく第二食堂。
「ひょっとして明日はそのご令嬢が女王役をやるんじゃないのか」
「そうだな、王役は当日誰がやっても問題ないルールだ」
たまたま上級生の男子たちがいたようだ。先日建設的な意見を言っていた赤茶色の髪をした人だ。
私たちは顔を見合わせた。そんなルールは知らない。
「日ごとに代えていいのですか?」
「問題ないよ。だってケガすることもあって出られない場合もある、ピンクのビブスが全て。している人間が敵の大将さ、誰になっても問題ない。途中で代わるのも有りだよ」
これは知っておいてよかった。知らないで戦うのと知って戦うのでは違う。ここにいる下級生はほとんどこのルールは知らなかったようだ。みんなが口を少し開け初めて聞く顔をしている。
「今日と明日、女王役を代えるメリットは何だろう?」
「こちらの油断、うちらが今日女王役をやった五年生の女子を狙うが実際はクロエ様が別のところに控えている」
「油断させるのは分かるが別のところにいる理由が分からない」
第二食堂が思考に陥った。
「女王のことを考えずに、うちの攻撃隊三〇〇人が西家の二五〇人を正攻法で攻撃すれば何とかならないか」
「二五〇人、その中にいる西家の一年一組の凄腕たちが守りに徹すれば厳しいかも」
「膠着したまま時間切れだとうちが勝てるぜ」
「やはり西家の女王変更に訳があるはず」
「クロエ様は女王として秘策をもって潜んでいる可能性が高い」
第二食堂が再度、思考に陥った。
カチン。
食器のなる音。女の子が立ち上がった。一年生なのだろう、幼さが残る。
「おばあさんに聞いたのですが、西家では幻の魔法があるようです」
「どんな魔法ですか」
「おばあさんは西家の出身なのですが、幼いころ一度だけ見たことがあるようで、炎のなんとかというらしいですが、すごいとしか聞いていません。すみません」
顔を真っ赤にして座った。勇気を出して一生懸命話してくれたのだろう。
「ありがとうございます。それはとても貴重な情報です」
勇気ある少女に感謝の気持ちを伝えた。
「となると、その炎のすごい魔法を使って、うちの攻撃陣三〇〇人を全員破れるだろうか。いくらクロエ様がすごかろうと、うちだってむざむざ負けないぜ」
「一人が巨大魔法を三〇〇人に放っても今の俺たちは耐えられるぜ」
「だいたいそんなすごい魔法は長い時間は使えないのが常識だよ。うちの攻撃陣へ使って、全滅させたとしても続けて守備陣へ向かってまた全滅させるのは無理だと思う。どちらか片方だけが限界」
「となると一瞬の勝負にかけてくるか」
「終盤に一気にうちの女王様を目指してくる」
「それまで攻撃陣は敵が攻めてくれば戦う、守れば、こちらは何もしない。女王様目指してクロエ様がいなくなってからが攻撃陣と西家の戦いだ。時間切れを考慮し、できる限り敵を倒しておくよ」
「クロエ様は下級生に任せるしかない。壁を頼りに耐えてくれ」
白い割烹着の女性が現れた。
「みなさん、食堂をそろそろ閉めたいのですが……」
私たちは夕飯を急いで食べて、部屋に戻った。
五人で私の部屋に集まった。クロエの幻の炎の魔法の威力がわからなかったが、多分長時間使えないと思われる。終盤に使うとして、味方はそれまで相手の出方次第のようだ。うちの攻撃隊はクロエが女王の私を目指せば、クロエ以外と戦い、時間切れでも勝てるよう極力敵の人員を削る作戦を取る。
私たちはどうするか。
「壁の内側に入れないで戦えればよいのだけれど」
私が戦法を模索する。
「下級生だけで保つかなあ」
「壁の上は魔力壁要員と水魔法の迎撃要員の約百名よ」
アニーの疑問にマイアが具体的な数字を加える。
「もしクロエが一人でなく集団で襲ってきたらそのすごい魔法を五十人の魔力壁で何とかなるかしら」
ニーヴも懐疑的になっている。
「今日みたいに全員が壁の上に乗ったら、どう」
私が案を提示した。
「プラス百人で百五十人の魔力壁ならクロエが集団できて、すごい魔法でも分断できる可能性が高いわ」
冷静にジュリアが解決策を見出してくれた。
「分断できれば五十人の水魔法で個別、いや二人同時でも倒せるはずよ」
確信をもった顔つきのマイアが優雅に扇子を仰ぐ。
「ダメなら私たちも攻撃しましょう」
ニーヴのにんまりとした表情は艶っぽい。
「手前で決着させる」
私は力強く宣言した。四人も頷いた。
「
茶目っ気たっぷりなアニー、それはないでしょう。
四人が私の部屋を出る直前ジュリアに言われた。
「ナナ、そう言えば、染まらなかった二つの魔石の件どうなった?」
「アナベル王女様とエレノア様が対応してくださることになったわ」
「なら安心ね」
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