裏話(期間限定) 五話

【付録:裏話は年内中には削除します】

 ノアが夕飯後ナナの部屋に向かっていた。

 ――ナナたちは上手くいったようだ。食堂で五人が晴れやかな顔をしていた。王家領の連中の鼻を明かしたことは疑いようもない。銅の魔石、いや金の魔石の秘密さえも解き明かしたのかもしれない。うまく聞きだしたいものだ。

 そう思いながらノアは廊下を歩き、ナナの部屋へ着いた。

 ノアがドアをノックした。侍女のラナーナに開けてもらう。

「上手くいったようだね」

「もう聞いたのですか」

 ナナが驚いた顔をノアに見せた。

「いいや、みんなの明るい表情を見たら分かるよ。希少魔石もうまく対応できたみたいだね」

「お兄様のおかげです」

「解析は時間がかかったかい」

「いえ、そうでもありませんわ。最初は活性化だけでいけるかと思いましたが、両方を活性化しながら融合すればできることにすぐジュリアが気付きましたわ」

「彼女は優秀だからね」

 ――そうか、なるほど。呪文はマージとアクティブの両方が必要だったのか。

「ええ、彼女の頭脳は桁違いです」

「エレノアは金の魔石も持ってきたのだろう」

「そうです。でもこれも銀に変換して見せましたわ」

「なるほど、それも可能だからね」

 ――どういうことだ、金の魔石を銀に変更するだと。

「金は風と銅の掛け合わせでしたから、一旦すべてを休眠させ、銀の風と水だけを活性化しながら融合するイメージを持って錬成した後、魔力を込めて銀にしましたら、驚かれましたわ」

 ――そうか、金は風と銅か。それと一旦休眠させることが必要か。銀は父と母の推測通りだったのだな。これで金、銀、銅の構成が分かったぞ。ナナ、ありがとうな。

「最後はまた元に戻して差し上げましたけれどね」

「それはご苦労様なことだったね」

「全くです。明日も模擬戦で出勤・・ですよ。私たちの試験休みはどこへ行ったのでしょうか」

「ご愁傷様。じゃゆっくり休んでくれ」

 そう言ってノアはナナの部屋を出た。

                        「裏話完」

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