動かしてみよう!
――――重い音を立てて玄関の扉が開き、薄暗い館内に外の光が射し込む――――と同時に、
「たっだいまー!
…………って誰もいるわけないか。作業場かな」
勢いよく入ってきたのは、髪を片側で結った【サニー】。
目鼻のくっきりした、華やかな顔立ちだ。
「昨日、
のんびり声をかけたのが、眠そうな目をした【クラウディア】。くせっ毛をショートにしている。
「ってことは、ユキたち休みか。エコーさんもかな?」
「…………昨日から……新人がきてるはず…………」
クラウディアの背後で、背の高い【ルーン】がぼそりといった。下ろした長い髪で片目が隠れている。
「新人ちゃん? じゃあ、ウチらも挨拶しにいかないとだね。
その前にさっさと荷物かたづけちゃおう」
サニーの号令で、三人は大荷物を運び始めた。
――――ここで場面は作業場に戻る。
「さっき入れたのは【シェム・ハ・メフォラシュ】といって、ゴーレムの動きを定めた文章よ。
文章といっても、ひとつひとつの単語は短く略されてるわ。そうしないと、長すぎて中に入れられないの。
今回書いた
ステラは目を輝かせて、エコーの説明――――は聞いていなかったらしい。
「これです! これなんです!
これが見たかったんですよぉ!!」
踊るゴーレムに興奮を抑えきれず、ぴょんぴょん飛び跳ねる。
「落ち着きのない新人じゃのお」
バッカスが呆れ顔でヒゲをしごく一方、エコーは何やら含みのある笑顔。
「これくらいで満足していいの?」
「?」
きょとんとしているステラにいったものである。
「ここまでやったなら、自分で動かしてみたいと思わない?」
「やりたいっ!!」
ステラは本日のぴょんぴょん最高度記録を更新した!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます