ゴーレムを作りたい
ちょうどそこへガイアが通りがかった。
「何の騒ぎだ」
いまだ要領をつかめないエコーが、つかめないなりに事情を説明すると、女丈夫は眉間にしわを寄せてステラを見下ろした。
「勝手なことをいうな。お前をここへよこすのに、どれだけの手間と金がかかったと思ってるんだ。
うちだけじゃない、お前が元いた修道院もだぞ」
ステラは
また受け入れに先立って、工房とステラの修道院は何か月も前から手紙でやり取りを
その修道院も、教会の
もっといえば、就労目的の国外移転も敷居はかなり高い。
ガイアは
いまさら気まぐれなどでひっくり返せるものではない。
ところがステラもさるもの、ぷくぅと頬をふくらませてはガイアをにらみ返し、
「ゴーレム作らせてくれるっていったのに。うそつき」
ときたもんだ。
「ちょっとステラ、やめなさい! ……マダム、わたしがいって聞かせますから」
「ステラにも事情があるんだと思います。それがわかれば、誤解もとけるはずです。
それに、ゴーレムを造りたくて
「まあ、教育担当はお前だからな」
工房長は条件つきで許可を出した。
「昼飯までには片をつけろ」
ガイアが立ち去ると、エコーはステラに向き直った。
「ステラ、あなたの知ってるゴーレムについて教えてくれないかしら。
あなたはどんなゴーレムを造るつもりで工房にきたの?」
そういわれて、まだ不満そうだったステラも、ことばをつむぎ出すようにぽつりぽつりと話し始めた。
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