精霊の魔法使い21

冒険者ギルドに着くと俺たちは宿屋の情報の貼ってある掲示板の方に進んでいった。ギルドに入ったとき、だいぶ注目を受けていた。そら~見た目女二人と犬猫、子供二人のパーティーなんて珍しいよなぁ~。今思うとだいぶ不思議なパーティーだな。




「この宿屋が空いているみたいだしここでいいか?」




「いいと思うよ~ 他のはちょっと高いしね~」




「宿屋はここにしてと… ついでに討伐依頼でも見ていくか」




簡単に宿屋を決めたら討伐依頼の貼ってある掲示板へと近づいた。見た感じだとそこまで変わった魔物はいないみたい。いくつか新しいのがあったから討伐部位の情報をメモしておく。




「うん これでいいかな よし、昼飯くいに行こー」




「「おーー!」」




ラクとイトの元気な返事とともに冒険者ギルドを後にした。




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ギルドの近くで営業していたお店へと入った。冒険者ギルドの近くにある飲食店なだけあってなかなか厳つい人やがたいのいい人が多いように感じる。そんなお店で若干早めの昼食をとりながら今日はどうするかについてみんなと話し合う。




「ん~~!! 久しぶりに食べるとおいしいね~!」




「うんうん で美味しいのはわかったから今後について考えようよ 美紀?」




「こっちもおいしいよ~~ はい チーちゃん」




「あ、ありがとう」




絶対聞いてなかったな!もしくはあえて無視をしたな! おいしい




「そんな、睨まないの! かわいい顔が台無しだよ~?」




「俺は男だ!!」




絶対からかってる!からかわれてるよ! はぁ~ これもいけるな




「そうそう 食べ終わってから話そうよ みんなも夢中みたいだし」




「それもそうだな」




ラクとイトなんかがっつきすぎて顔が汚れてしまっている。ちょっと微笑ましいな。まずは久しぶりのちゃんとした食事を楽しむことにした。


食後の紅茶みたいな飲み物を飲みながら・・・




「さて、とりあえず宿はこの後取りに行くとしてそのあとどうしようか?」




「う~ん 今まで討伐した魔物の換金も終わってないよね? それをして今日は自由行動でどう?」




「それがいいかもな 今日はゆっくりするか じゃあ、俺と美紀で宿屋と換金に行けばいいから他は自由にしてていいぞ~」




「「わーい」」




ラクとイトが駆け出してしまった。




「あ、クー ラクとイトの子守よろしく」




「りょうかいです!」




クーに任せておけば大丈夫だろう。クーも後を追いかけて出ていく。




「リアはどうする?」




「私はこの街をふらふらみてみるかのぉ~ リィーいくぞ」




リアはリィーとともにこの街を見て回るようだ。宿屋の場所はクーもリアもわかっているはずだから大丈夫だろう。アオは一緒でよし




「私たちもいこう!」




「だな」




俺たちも料金を払いお店を後にした。お店の人が不思議がっていたのが少し面白かった。




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宿屋に行き宿を無事とることができた。今はまた、美紀と二人で冒険者ギルドへと向かっている。




「宿代以外に高いな いやこの大きさの街からしたら以外じゃないのか?」




市場が全く分かりません。他の店でももっと話しておくべきだったか?




「高いよね~ 今の手持ちだと一週間分しかないね」




「また、資金集めだな 明日から討伐に向かうか」




そんな事を話していると本日二度目の冒険者ギルドへ到着した。ギルドへと入るとまた注目を集めたがすぐに視線は外された。美紀と二人で受付の方へと向かう。アオの『空間』からすでに換金する素材は別に出している。




「ギルドへようこそ 今日はどのような御用でしょうか?」




今回はかっこよさげな男の人だ。素材の入った袋を渡す。




「この素材の換金をお願いします」




「わかりました 少々お待ちください」




そういうと受付の人は中の素材を確認していきメモを始めた。初めはすらすらとメモを取っていたのだが次第に遅くなり最後には止まってしまった。




「すいません 上の者を読んできますので奥でお待ちいただけますか?」




「へ? あ、はい」




なぜか奥で待つように言われてしまった。おかしな素材でもはいっていただろうか?美紀にも顔を向けるがわからないようで首をかしげている。案内された部屋へと入り待つことにする。


しばらく待っていると奥からさっきの受付の人の上司だろうか?先輩のような人が複数人入ってきて素材の鑑定を始めた。袋の中に入っていた素材を仕分けのように分けたりまとめたり次第に山ができていく。




「素材の量が多かったってことか?」




「チーちゃん あの手提げかばんぐらいの袋の中にどれだけ素材が入ってるの?」




「ん? ここまでの道中の素材の半分くらい入ってるよ」




「ここまでの道中ってことは・・・ 修行中に討伐しまくった素材も入ってるの?」




「うん あれ?ダメだった?」




「少しまずいかも」




俺が素材を入れた袋はいわゆるマジックバックだ。これは市販で売っているものでアオの『空間』とはまた別だ。見た目よりも大量の物が入る袋。簡単に説明するとこうなるがこれが意外に高性能!中の物の劣化はある程度防いでくれるし入り口を広くできるので大きなもの(例えば丸太など)も楽々入る。値段が高くなればなるほどさらに高性能なものになり収納できる量も増えていく。俺の持っているものは劣化を防ぐ性能などを無くし、ただただ大量に入るようにしたものだ。




中に入れた素材は結構大量にある。グランさんのもとへ行く途中に討伐した魔物や修行が終わりここに来る途中に討伐した魔物の素材が入っている。それだけでも多いのだがそこに修行中に手に入った素材がプラスされる。この素材は大きく分けて俺が集めたものと美紀が集めた者とに分かれる。




まず、美紀が集めたものはアサシンのように気配を消し討伐する修行中に手に入れたものだ。この修業は最後の方の修行であったためそこまで多くないが一つ一つの質が違う。グランさんの影響で随分と強化されている山の中で生活している魔物たちだ。滅多に人里には現れないし個体が他と比べても強い。そんな魔物の素材なのだからとても希少な物であろう。




次に俺が集めたものはグランさんとのガチバトル中に発生したものだ。あまりにもグランさんが強いので数ならどうか?と考え使った魔法がある。それがトレーディングカードを使った疑似召喚魔法だ。この魔法は顕在している時間は3分とどこの星の戦士だ!と言いたくなるような短さだがカードが尽きない限り無数に召喚することができる。レアカードなんかは個体が強いし呪文などのカードなら特殊な使い方もできる。


だが、欠点も多い。魔法でカードをコピーすることはできたのだがそのカードはオリジナルのカードよりも強さが半減されていた。三分間しか使えないといったところも欠点だ。また、カードのイメージに固定されてしまい汎用性がない。同時に使うと相殺してしまい発動しないこともあった。




まぁそんな奥の手のような魔法でグランさんに数で挑んだ。だが、数には数で対応されることとなりました。グランさんは眷属のような気法に優れた拳闘士の黒いリザードマンを無数に召喚してきたのだ。そのリザードマンはみな異常なほど強かったです。もう悪夢ですね。数はこっちの方が多いのにどんなモンスターを召喚してもほぼ一撃で倒せれさらには連携まで取ってくる。倒すことができることもあったが倒されたリザードマンは黒い鉄に代わるだけだった。全く減る気配もなく最後には集団でプチっとヤラレマシタ。




それからしばらくは集団戦の修行じゃ!とのことらしくひたすらにブラックリザードマンと戦わされました。




ちょっと悪夢を思い出して話がずれてしまった。まとめると大量の黒い鉄があるということだ。




修行の話は機会があればちょくちょく話していこうと思うよ うん




少し回想している間に鑑定も粗方済んだようだ。さっきよりも人数が増えている気がする。




「か、鑑定は終わりました。いくつか未知の素材がある為正しい鑑定結果でない可能性もありますがこちらの金額となりました ご不満などがあればお申立てください」




そういって初めにあいさつした受付のお兄さんから用紙を預かった。預かったのだが・・・




「ねぇ 美紀? 俺の目はおかしいのかな?」




「ねぇ チーちゃん? 私の目もおかしいのかも・・・」




そこに書いてあった金額はゼロが三、四個違うように感じました。






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