精霊の魔法使い20

俺は召喚されたとき死んでいた。死んですぐのときにリアの魔法が発動した。神がかった偶然が重なりに重ってこの世界に召喚された。


たぶんこんな感じなんだろう。と俺は理解することにしました(まる) 




『死の剥奪』は簡単に言えば死なないってことなんだけど不死とは少しばかり違うらしい。実際にこの世界には不死のスキル持ちもいるとリアやグランさんが言っていた。不死はただ死なないだけで死のうと思ったら(様々な条件諸々は必要らしいが)死ねる。対して『死の剥奪』死にたいといった考えすら許されない。現にリアや美紀に聞かれるまで全く気付かなかった。




グランさんとの修行で何度も何度も何度も殺されまくったが全くそういった感情がわいてこなかった。もうヤダめんどいみたいなのはしょっちゅうあったが死にたいとは思わなかった。




グランさんとの修行の日々はそれはもう恐ろしく思い出したくもないので聞かないでください。簡単な部分だけで済まさせていただきます。初めの数年は基礎訓練の日々でした。何度音を上げたか覚えていません。基礎が終わったらそこからはひたすらにグランさんとの戦闘です。その初めての戦闘でヤラレマシタ。


何で躊躇もなくできたのか聞いたところリアは俺が死なないことを知っていたらしい。リアの持つスキルの中に『解析』というものがあるらしい。(俺はその時知りました。)そのスキルを人にかけるとその人のスキルやらが見えるそうな。ほんとにずるいスキルです。それだと初めからあったってことになるんだけど最初ステータスを見たときはなかったはずなのだ。なぜだろう?そこがいまだに謎になっています。


まぁあとはグランさんに反撃することができて卒業となりました。




今話した内容は一年では済まない内容のはずだ。十何年は修行をしていたはずなのに・・・




「リアさんやい 俺の年齢が1年しか過ぎてないんやけどな なんでなん?」




話し言葉がだいぶおかしくなってしまった。今俺たちは帰りの途中だ。今回の予定はウルさんから加護をもらう予定だったのでミッションクリアです。




「あぁ それは修行をしたグランの場所とこの世界の時間の流れが違うからじゃよ 転移で移動したじゃろ?」




「確かに転移で移動してたけど・・・ 漫画でよくある修行シーンを無意識で再現していたとは・・・」




「逆じゃ逆 漫画のシーンを見てグランと共同で再現したのじょよ すごいじゃろ~」




「いつ仕掛けたんだよ! いつ連絡とったんだよ!」




「仕掛けたのはグランじゃな 連絡手段は念話じゃよ」




非常識だ! 魔法がある時点で常識を求めるのは間違ってるけどさ~




「まぁいいじゃんて 結果的におばあちゃんにならなくて済んだんだしさ~」




美紀は何とも気楽そうでいいねぇ~ てか順応が速すぎるんと違います?




「それでいいのかねぇ~」




「いいの いいの!」




まぁそういうことにしますか。深く考えてもしょうがないし。


これからの予定は自分が死なないことが分かったので武力的なものに負けないための修行をさらにしていく予定です。今回ウルさんのところに来たのはその一環で加護によるドーピングのような方法もとっています。


加護のレベルが上がれば身体が強化されるし登録できる物の数も増える。ウルさんに加護をもらったことでレベルが30上がり500を超えました。グランさんとの戦闘で時々物を壊したりしてしまったからレベルが上がったり下がったりを繰り返していたためやっとこのレベルになれてちょっと感動しています。




あと、修行の日々でわかったこともある。リアとかにもらった加護についてだ。最初の方のグランさんとの戦闘訓練では登録してある物を壊しすぎてレベルがいっきに下がってしまうことがあった。でも、ゼロまではいかなかった。リアの加護分の30で止まったのだ。また、レベル30以内に登録していた物は完全には破壊されなかった。ここから考えるに加護が増えれば増えるほど最低値が上昇するのだと思う。今の最低値は大精霊リアの加護で50、古黒龍グランの加護で50、精霊ウルの加護で30、たして130が最低値となる。物に関しても今なら完全に破壊されないものを13個登録できるはずだ。また、それぞれの加護に補正みたいなのがあるみたい。リアは魔法に対してグランさんは気法に対してウルさんは調べてみます。




ちなみに気法というのはグランさんとの修行の成果です。竜は魔法はもちろん使うがそれよりも自らの身体を強化して戦うことの方が得意らしい。その強化方法が気法となる。これは魔素とは違った自身のうちに流れる力(俺もいまいち理解していないがこう熱くぐあってくる奴なんだけど)使う方法となる。この力を纏ったり一点に強化したりして身体能力を飛躍的に上げる方法だ。俺はあまり得意ではないが美紀はこっちの方が得意らしい。最近だと全く目で追えない。


まとめると俺は魔法が得意で美紀は気法が得意といった感じに分かれた。




そのあとも時折雑談などしながら湖を抜け朝起きた場所まで着いた。時刻は夕方ぐらいだ。




「さて、今日はここでもう一泊するとして明日はどうしようか?」




「近くの街に行くので良いのではないか?」




「私も久しぶりに街に入りたいな~」




「クーはマスターについていきます!」




みんなも久々に街でゆっくりとしたいのかもな




「りょうかい 明日はここから先の街の方に行ってしばらくそこで過ごすか」




明日は街に行くことになった。久しぶりの街だ。修行中のときは野性味あふれる食卓を囲んでいたから街では美味しい料理が食べたいなぁ~






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






「「まちだーー!!」」




うんうん、街に来ましたよ。街の名前はカルハ。本当に久しぶりだ。修行の期間は時間の流れが違ったから実際には数か月ぶりのはずなんだけどね~




「さて、まずは宿探しだな ギルドの方にでも行けば情報あるかな?」




「とりあえず、ギルドに行くのでいいんじゃないかな? そのあとに昼ご飯にしようよ」




「そうだな」




やっぱり美紀も街での食事が楽しみなのかな?今少し歩いた中でも屋台に目移りしてたしさ~




宿を探すにも冒険者ギルドで情報を集めるのが楽だ。その名のとうり様々な街を転々とする人が多い職場だからそういった情報も取り揃えている。中には自身の宿を宣伝しているところもあるくらいだ。ついでにこの付近に出現する魔物の情報も仕入れておこうと思う。修行前からお金は増えていないしね~




「にしてもこの街はだいぶ広いね~」




「そうじゃのぉ~ この街は昔からあるものじゃからな~」




「リアは来たことがあるの?」




「おぉ~ ずいぶん昔にな~」




へぇ~ リアが昔からっていうことは相当昔からあるんだろうな~




「昔はよくグランとちょっかいを出したものじゃよ~」




竜と精霊のちょっかいってなんだ?それも相当に高位の存在のちょっかい… 質が悪すぎる! カルハの皆さんどうもすいません。




そんな感じで時折雑談をはさみながらお店を見て回り冒険者ギルドへと歩を進めていった。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る