精霊の魔法使い22

冒険者ギルドでは初めに受けた金額で素材の換金を終えた。半分だけ換金したのだが思っていたよりも大金が手に入ってしまった。周りの目がいつものように感じない・・・ 気のせいか




受け取ったお金はすぐにアオの『空間』へとしまった。アオ銀行に入れておけば手で持っているよりも断然安全だしね。




「半分だけだったのにあんな金額になるなんて・・・ グランさんの眷属の素材がおかしな金額になってた」




「私の討伐した素材も結構高かったね~ そこまで強い魔物じゃなかったからびっくりだよ」




今は、美紀と二人で街中をぶらぶらとしている。さっきまでは金額に驚きすぎて口数が少なかったがだいぶ立ち直ってきたところだ。




「明日からどうしようか? 懐もだいぶ温まってしまったし討伐に出かけなくてもいいように感じてるんだけど・・・」




「いやいや、お金なんてすぐに無くなっちゃうよ? 集められるときに集めておこうよ!」




やっぱりこれだけお金があっても使っちゃうんだろうなぁ~ 慢心せずに節約を心がけて計画的に使っていかなくては・・・




「でも、明日はお買い物でもいいかな?」




美紀さんやい・・・




「さっきは討伐に出かけた方がいい的なことを言っていたのに・・・」




「まぁ いいじゃん! いいじゃん!!」




はぁ~ まぁ明日ぐらいはいいよな? 余裕もあるししばらくはゆっくりしてもいいよな?




「それもそうだな・・・」




そのあとは美紀とも別行動をし露店や本屋などによりこの街を見て回った。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






翌日の今日は結局みなそれぞれに自由行動をとることになった。美紀とリア、俺とラクにイト、クーは一人で行動するらしい。美紀とリアは買い物、クーは昨日見つけた図書館に入り浸るそうだ。




今はもう夕方ぐらい。それで俺たちはというと・・・




「「おいしぃ~~」」




「そんな慌てなくてもあるから」




ひたすらに目に入った様々な食べ物を食べて回っている。途中休憩がてらに雑貨屋などのお店にも入ったがラクとイトにはあまり興味がなかったらしい。今、食べているやつはつくねだ。何の肉かは食べてみてもいまいちわからないが十分美味しい。本当に何の肉だろう?お店の人に聞いても知らない名前だったし・・・




「私、次あれ食べたい!」




「僕あっち!」




「まてまて 順番にな~」




ラク、イトの順に別々のお店をさしている。何とも慌ただしい。昨日クーはどうやって対応してたんだ?つくねを食べ終わりラクが指していた棒アイスのようなものを売っている店へと行く。




「おじちゃん これ三本ちょうだい」




「はいよ」




またその辺の花壇のふちに座って食べていく。あれ?これ、アイスだと思ってたけどゼリーだ。棒に刺したゼリーってなんて言うんだ?美味しいけど・・・




「「おいしぃ~~」」




「こぼすなよ~」




またおんなじこと言ってる。語尾を独特に伸ばしてるのが地味に面白いんだよな。あ、あ~ あぶねー落ちそうだった。




それにしてもさっきからなんとなくだけど街の雰囲気がざわついてる気がするんだよな~ なんかあったのかな?そういえば冒険者もあまり見ないな~ もう日が沈むぐらいだから姿が見えてきてもいいころのはずなのに・・・




「「次行こうよ!」」




「わっ わかったから 引っ張るな あわてるな」




ラクとイトが俺の裾を見た目に似合わない力で引っ張て行く。こんなに強かったっけ? さっきのことを少し疑問に思いながらも明日でいいかと思い直しお店を巡って行った。 次に向かったイトが指していたお店はクレープぽかった。美味しかったです。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






そしてまた、その翌日。昨日気になったことを冒険者ギルドで聞いてみようと思いさっきギルドにみんなで着いたところだ。早速中に入ってみる。




「ん? 人ってこんなに少なかったっけ?」




「この前来たときはもっといたよ」




一緒に行った美紀に聞いても同じような意見のようだ。




「う~ん とりあえず受付の人に聞いてみるよ」




俺は、この前対応してくれたお兄さんのもとへと声をかけることにした。




「すいません 冒険者の方が少ないみたいですが何かあったのですか?」




「あっ おはようございます 他の冒険者の方ですか? つい先日東の森の方で魔物が大量に出現したとの報告がありましてその討伐に向かわれているのだと思いますよ」




「あ~ そうなんですか ありがとうございました」




魔物が大量に出現したから冒険者が少なかったのか。受付の人結構落ち着いて話してくれたけど東の森の方って近場じゃないのかな?この街にまで来ることはないからそんなに慌ててはいないのか?う~ん 昨日のは気のせいだったかな?




「コウよ 魔物がいるそうだがどうするのじゃ? 行くのか?」




「う~ん 今はお金に困ってないけどあって困るものでもないし俺たちも討伐しに行くか」




「だね~ この辺はそこまで強くないみたいだし行ってみようよ!」




それから、もう一度お兄さんに詳しい場所を教えてもらった。消耗品に関しては昨日リアと美紀が買っておいてくれたそうだ。武器は登録してあるものがあるので問題ない。簡単な食料を買い装備を整えて討伐へと向かった。


道中はカルハの街に行く途中に倒した魔物と変わらなかったので問題なく進んでいった。どこにでもいるのか?ゴブリンの団体さんやクマが魔物化したモノや角の生えたウサギなどなど種類は前に滞在していたリリーシモよりも多いいが強さはそこで変わっていない。短剣を投擲したり木刀でたたいたり魔法でしびれさせたりと順調に進んでいった。




魔物が大量に発生しているらしい東の森までは、まだかかりそうだ。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る