精霊の魔法使い12

翌日




美紀はリーと俺はリアとに別れて買い物をすることになったので別々に行動している。




美紀とリーの方には、生活する上で必要になりそうな物を中心に買いに行ってもらっている。


大荷物になりそうだしアオはそっちについていっていくことになった。




で、俺の方は戦闘面での買い出しだ。魔法関係の店や薬関係の店を中心に行く予定だ。




今は、魔法関係の店の方に来ている。リアが先に行きたいと言うので魔法書が多く陳列されている本屋だ。




本を調べながらふとした疑問をリアに聞いてみる。






「あのさ、この世界の魔法ってのはイメージが大事なんだろ? 魔法書ってどんなモノなんだ?」




「ん〜 簡単に言うとだな 誰でも使えるように文字に起こした魔法だな」






リア曰く、この世界の者全てが魔素を認識して魔法を発現させているわけではないんだと




魔素を認識できる者はそこにイメージを流し込むことで魔法を使えるが認識できない者はイメージを流し込む場所がわからない。




そんなほとんどの者のために昔の天才が文字の組み合わせで発現できる魔法を作ったんだとか




以来こちらの方が主流となり最近の人間は、魔素を認識できている者が少ないらしい。






「えっ てことわさ 俺って随分と希少な魔法使いになるのかな?」




「そうなるのぉ〜」






マジか!俺って高度な魔法を使ってたんだ。


教わって数日でアレンジし始めたのは異常だったのね






「魔法書のメリットは、誰でも使えるだろうけどデメリットって何になるんだ?」




「デメリットか〜 オリジナルよりも使い勝手が悪くなることだな。 例えば、ここに書いてある回復魔法でもこの文を演唱することで使うことはできるが回復量も規模もオリジナルなるよりは数段劣ったモノとなるのだ」




「へ〜 じゃあこの魔法のイメージの仕方を参考にしするだけなら元の性能になるのかな?」




「うむ、それであれば、オリジナルと大差なく使えると思うぞ〜」






ふーん、まぁいろいろ見てみるか面白そうなのがあるかもしれないしな〜




あっ 文字をうまく使ったらトラップみたいなのも作れそうだな。 後で試してみよう




とそこで気になるタイトルの本を見つけた。






「リアさん? この辺に【勇者】って書いてあるタイトルがズラ〜と並んでるんだけどさ・・・」




「ん? それがどうかしたのか?」




「【勇者】ってこの世界にいるのか?」




「もちろんいるぞ 今もどこかにいるであろうな〜 というがコウの世界にもいるのであろう?ラノベなるものによく出てきておったしのぉ〜」






マジか!俺は、てっきりいない者と思ってた。ギルドの溜まり場でもそんなこと聞かなかったし勇者っているんですか?って真面目に聞くのも恥ずかしいし・・・






「じゃあ 魔王も・・・」




「おるぞ?」






うわ〜 ほんとに王道的なファンタジーの世界にいるのね。


どうせだから他のことも聞いとこう。






「勇者って俺と同じ言葉だったかとかわかる?」




「随分と前に会った勇者は、同じだった気がするの〜」






随分とってどのくらい前なのかね


でも、日本人の可能性ありか・・・




うーん、意外に勇者に会いに行くってのも面白そうだな。






「そのー勇者ってどこにいるかとかわかるものかな?」




「私は、知らんぞ? 他に聞けばわかるのではないか?」






そらー勇者だし有名そうだしね。後で情報集めとくか。




そんな感じでいくつか参考になりそうな魔法書と地図や図鑑などを購入し店を後にした。






「次はどこに行くのだ?」




「次は薬関係の店かな そのあとは、ギルドで合流して武具だ」






俺たちは、数分歩いたところにある店へと入った。




この店は、何度か来たこともあるお店だ。傷薬とかは必要だしね。




中は、薬品独特の匂いがし色とりどりの瓶や本が並んでいる。




奥の方へと進みいつもよりも多めに回復薬や傷薬、あと薬草関係の本も買った。




この世界の回復薬は、飲んでもいいしかけても効果がある便利なものだ。




なるべく節約するために大抵の人は傷口にかけて使う人が多い。




あとは、どちらかの使い方に特化したものや治癒力をあげるようなものなどがある。






「こんな感じでいいかな?」




「大丈夫でもあろう いざとなれば調合すればよいしのぉ〜」




「リアは調合できるの?」




「もちろん! 回復薬は回復魔法の簡略版みたいなものだからな」






へー そうなんだ 確かに不思議薬品だしな




このあとは、予定どうりに集合場所へと向かい美紀やクーらと合流した。




時間も昼を少し過ぎたぐらいだったこともあり昼食をとり武器屋へと向かった。


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