精霊の魔法使い2

「そもそも、俺は魔法使いになれるのか?」




「それは、全く問題ない!」




リアがなぜか自慢げにそう話した。


なぜ自慢げなのかわからないが魔法使いにはなれるみたいなので一安心だ。




「ふ~ ならよかった でもなんでだ?」




「それはな、コウが私と話せているからだよ」




「・・・・・」




「いや! だからな! 私と話せているからだ!」




リアは、慌てがちにもう一度同じことを言ってきた。


俺はついさっきまで頭がいいやつだなぁ~と思っていたのだがどうやら違ったらしい・・・




「コウ、今私をバカにしているだろ!」




あら?顔に出ていたみたい・・・ とりあえず首を振っておこう。




「うぅ~、 まぁよい 説明不足であったな。 簡単にまとめるだな、普通の生物には、私に対して見ることも話すこともできないのだよ。多少魔法に素質があれば話すことぐらいはできると思うがな。それとは、違いコウは、両方ともできておる。それが理由だ!」




「ふーん で、今更かもしれないけどさリアって結局何者?」




俺が魔法を覚えられそうなのは、なんとなーく理解できたのでちょっと落ち着いてきたし今更なことを聞いてみた。




「そういえば、名前しか教えていなかったな。私はなこの森一帯を統括している精霊だ! ほかにも精霊はいるのだがその中でも高位の精霊だ。ちょっとは驚いたか?」




と自慢げに説明してくれた。妖精だと思っていたが精霊だったらしい。いまいち詳しくないから違いが判らん!その精霊もこの世界でどんなものかしらんしな。なので、驚いていない。いや、今までが驚きすぎたのか?




「精霊か~ てっきり妖精だと感じ違いしてたわ」




「・・・ 妖精はまた別だ。もし妖精であればこんな様に話すことはできないだろうな。」




俺があんまり驚いていない様子に不満だったのかふくれっ面になりながら説明してくっれた。ちょっとかわいいと思ったのは秘密です。


大体のことは、わかったと思うしこれからどうしよう・・・そんなことを考えていると




「大体わかったかのう?」




「ああ、今のところはたぶん大丈夫だ」




「ならよい、これから魔法を覚えなくてはならないだろう? これは、私の責任でもあるしな私が直々に教えてあげれるがどうする?」




「なんで偉そうなのかは問わないでおこう・・・ その申し出にこたえたいと思う。いいか?」




「よかろう! これからよろしくな!」




「こちらこそよろしく!」




そんな感じで俺は、なんだか楽しそうな精霊のリアと人差し指で握手を交わした。


ここから俺わたしは、の魔法使いとしての人生が始まった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




翌日、俺は早速リアから魔法を教わることにした。


ちなみに昨日の晩飯は、一緒に召還されたカップ麺を食べました。さすがにガスや水道まで召喚されているわけではなかったから悩んでいたら・・・




「お湯があれば食べれるのか?」




リアが魔法でお湯を作ってくれたので結構簡単に作ることができた。それに水がいいのかいつもよりも美味しいカップ麺で少し驚いた。リアもおいしそうに食べていたのでよかったよかったといった感じでした。




話を戻そう。俺はいま外に出ている。ここは森の中らしいがくりぬかれたように建っている俺の家を中心に半径5メートルの円形にぽっかりと空いた空間のようになっている。その空間には木がなく芝生のように背の低い草が生えている。




俺は、玄関から出て2メートルほどの場所にリアと向かい合って立っている。リアは俺の目線のあたりで浮いている。


するリアが楽し気に話し始めた。




「よし! これから魔法を教えたいと思う。でも、実は3つほどしか教えることはないのだがな」




「えっ! それだけ?もっと難しいものだと思ってた。まぁ簡単なほうがいいんだけどね」




「簡単かどうかはコウしだいだな。まぁ手短にいこう!」




そう言ってリアは、人さし指をほのかに黄緑色に光らせ空中に滑らせた。その指先をたどるように空中に書いていく。




「まず一つ目は、魔法の力の素『魔素』を感じるべし!!」




リアいわく地面、空、木、自分自身など『魔素』はどこにでもあるものらしい。まず、それを感じ取れるようにならなければ魔法を使うことはできないようだ。そんなことを空中に絵を描きながら説明していっる。




「最初は、自分のリラックスできる体制になって目を閉じ意識をいつもと違うところに向けるとわかるかも」




「かもって・・・ まぁやってみる」




俺は、言われた通りにその場にねっころがって仰向けになり目を閉じた。意識を別の場所に向けるか・・・


う~ん、どこに向けようか、とりあえずほっぺにあたってくすぐったい草の葉にでも向けてみる。


・・・・・ん?なんとなーくその草の形がわかるような、わからないような。何と言うか形は、はっきりとしないのだがそこに存在していることはわかる感じ? 俺がそんなことを思っていると・・・




「とりあえず残り二つは簡単だから先に行っておくよ~。二つ目に具現化したい事象を『イメージ』するべし!!そして最後が『イメージ』したものを強く思い描くことによって魔法は発現しやすくなるよ~。


以上が魔法です!! あとは、工夫あるのみ!」




と簡単に言ってくれました。さっき感じたのが魔素でいいのかな?試しに掌のあたりで感じている場所に意識を向けて水をイメージしてみた。すると掌に冷たい感触がしたので目を開けてみると・・




「はぁ!? もうできたの!?」




とリアがいうように掌には水の球体ができていた。




「・・・できたみたい」




「できたみたいじゃないわよ!!魔法なんてなかったんでしょ!!早すぎるよ!!!」




リアは、ものすごく驚いているらしい。聞くとリアが魔法を覚えたときは、魔素を感じ取るのに3日ぐらいわかかったみたいで。ましてや実際に魔法使えるようになったのはそこからさらに10日はかかったらしい。




「リアの教え方がうまかったんだよ、 たぶん・・・」




「いやいや、それでも早すぎるよ! 魔法をどこかで見たことあるの?」




「ないけど・・・ファンタジー小説とかで読んだことがあるぐらい?」




「ファンタジーしょうせつ? どんなの?」




リアがとても興味津々にきいてきた。俺たちはいったん家へと入り棚にしまってあった魔法モノの本を二冊取り出してリアの前に置いた。




「こっちがラノベでこっちが漫画な。」




「ふむふむ・・・」




リアは、本を受け取ると読みふけってしまった。俺は、しばらく隣で待っていたが動きそうにないので外に出ていろいろ魔法を試すことにした。




この世界の魔法は、ものすごく自由度が高いらしい。よく魔法モノの小説だと演唱だとか魔法陣みたいのが必要みたいだけど基本的に必要ない。リアが説明してたようにイメージをするだけで魔法が出来上がる。


試しにイメージしやすいようにこんなことをしてみた。




「炎よ、燃え盛り、収束し、貫け!」




すると右の手に小さな火が灯り大きくなりビー玉ぐらいに丸く小さくなった。そして、ものすごい速さで飛んでいき・・・




「まじか・・・」




二メートルほど離れてあった木を簡単に貫いてしまった。




「うわぁ~ おそろし~」




結構びっくりしたがそれ以上に楽しかったのでいろいろ試していたら日が暮れてしまった。


そのころになるさすがに疲れていたので家に戻った。




「リア~ どう、だった・・・」




家に帰ると本がものすごい山になっていた。てかリアがどこにいるのか全く分からない。かろうじて足場はあるぐらい。突然、小さいのが飛び出してきて・・・




「コウ! これはすごいな。なぜコウがこうも簡単に魔法が使えるようになったのか理解できたぞ!この本なんか・・・・・・・」




とものすごい勢いで俺のところに迫ってきてこれまたものすごい興奮気味に話しだしてしまった。




それからリアが疲れて眠くなるまで六時間ほど聞くことになったのだ。




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