精霊の魔法使い1
「・・・・・・・・・」
俺は今住んでいるはずのワンルームの玄関を開けている。
本来であれば、目の前に見えるはずのものはマンションやコンクリートの立ち並ぶ一般的な道路が見えるはずだ。
しかし、今目の前に見えているものは、、、木でしかない。
一度扉を閉め、部屋の中を見てみる。
いつも寝起きしているいつも道理の部屋だ。
だが、窓からの景色は、全く違うものになっている。
「意味がわか、、、んっ!?」
自分の声が自分の聞きなれている声と全く違う‼
俺は、すぐに鏡を見た。
「だれだよ、、、」
そこにいるのは、中性的な顔立ちの肩ほどの長さの髪の少女?がいる。色は、髪も目も黒だ。
身長は、155くらいだろう。服装は男物の服だがほとんどの人が可愛いと判断する容姿だ。
「さすがに、、そ、それはなあいよな、、、」
俺は恐る恐る下に手を当てた。
「な、ない、、、」
そこにあるはずのものがなくなっている。その代りのように胸元が心なしか少し膨らんでいる。
「まじか、、、てかここどこだよ!!!!!!!!!!!」
俺こと立川康タチカワコウの声は、広大な森林の中に消えていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
状況を整理するためにまず、自分の記憶を思い出してみた。
俺の名前は、立川康だ。年齢は20歳、大学に通っており一人暮らしをしている。
昨日は、、、なんだっけ? ああ、土曜だったからバイトして家に帰って寝たぐらいしか行動してない気がする。うーん、、記憶があいまいだ。とくにいつも道理だったと思う。
「・・・、なんでこうなったんだ? 俺が女になった理由もわからん。」
「へぇ~、また不思議なものが出てきたなぁ~」
突然後ろから少女のような声が聞こえてきた。
慌てて振り向いてみるが人のような姿は確認できない。
「ん? お前、私の声が聞こえるのか?」
目の前にとても小さな少女がどういう原理かわからないが浮いている。
身長は、30ぐらいだ。髪は腰のあたりぐらいまである。色は、髪も目も翡翠のような色をしている。
服装は、ワンピースだろうか? まとめるとまぁ、妖精みたいだ。
「っ、え、本物? てかだれ?」
「質問を質問で返すな! まぁ、見えてもいるみたいだな。私はリアだ。お前は、何というのだ?」
俺は、戸惑いながらも自分の名前を教えた。
「お前は、タチカワコウと言うのか。変わった名前だなぁ~」
そんなことを呟きながらリアは、部屋の中をゆっくりと飛んでいる。
なんとなーく信じたくはないが、状況がわかってきた気がする。
「あの~、いくつか質問していいか?」
「ん? ああ、いいぞ」
「では、遠慮なく これは、どういう状況だ?」
「状況? うーむ、私が異世界の文化を知るために召喚魔法を使ったのだよ。本来であれば、生物は召喚されないはずなのだがなぜか召喚されてしまったらしいな。いつもよりも大規模にやった影響かのぉ~」
どこか楽し気にかるーくそんな事を言ってくれた。
「影響かのぉ~、、じゃないわ!! どうしてくれるんだよ!!!」
「うっ、それはすまない、、コウは初対面なのに遠慮が本当にないな」
「あまりにも非常識な状況におかしくなってるんだよ!性別も変わっちまってるしな!!」
「はあっ!? コウは女ではないのか!?」
「もとは男だよ!なんか知らんがこうなっている」
リアは、すぐ近くにあった机に降り立ち考え込むように黙り込んでしまった。俺は、不思議に思いそんなリアの近くに座椅子を持ってきて静かに座った。しばらくそのままでいると顔を上げて・・・
「コウ、ステータスを見てみてくれ」
突然わけのわからない事を言い出した。
「ステータス?」
「ん? コウの世界には存在しないのか? こう手を額に当てて念じてみるんだよ」
と言いながらリアが手の平を熱を測るときみたいに額に当てて目の閉じた。
俺も真似をして同じようなことをしてみた。
--------------------
立川康
人
20歳
男⇒女(逆転の効果、解除不可)
スキル
逆転
--------------------
「お! なんか出た! ゲームみたいだな」
「げーむ? まぁよい 何かわかったか?」
「ああ、変なスキルの効果らしい、 よくわからんが戻れないみたい・・・」
「コウはスキルを持っているのか! また、めずらしいのぉ~」
リアが驚きながらそう話した。どうやらスキルというのは珍しいらしい。『逆転』というのがどういうものなのか調べられるかと思いステータスを出した時と同じように念じてみたが変化はなかった。そう、うまくはないらしい。
そんな事をしているとリアが話を続けてくれた。
「その様子だと何も知らんみたいだな。スキルというのわな、まぁ生まれながらにして持つ才能のようなものだ。極まれにあとから現れる場合もあるみたいだがな。あぁ、スキルの効果について知りたいならば自分でいろいろと試すしかないぞ~」
「リアは、詳しいんだな リアも持っているのか?」
「とうぜん! 私は、その極まれなケース出しな!」
道理で詳しいわけだ。自分が持っているならいろいろ知っているよなぁ。
「ふーん、で 俺は元の世界に戻ることはできるのか?」
「切り替えがはやいのぉ~ まぁ、たぶん戻れる手段はあると思うぞ?」
リアは、少し考え込んでいる様子だがそう答えた。
「お!あるのか! てっきりその手の小説のパターンで戻れないと思ってた 具体的には、なんだ?」
「具体的にか・・・ まず一つ目が、私が召喚魔法を行ったのと逆の形で行えばこの世界からは出られると思うぞ。だが、魔法はイメージだからの~ どこの世界に行くかはたぶんランダムだな」
「ん? それって結局戻れなくないか?」
「ああ、難しいだろうな~」
「ダメじゃん!!!」
(このちっこいのは、なんでこう楽観的なのかなー もうなんかあきれてくる。)
そんな事を考えているとリアは、冷蔵庫の方に飛んで行った。なにをするのかと見ていたら冷蔵庫がひとりでに空きオレンジジュースと台所に置いてあったコップがこれもまたひとりでに浮いてリアと一緒に机の上に降り立った。冷蔵庫は、またひとりでに閉まっていく。
「コウよ これは飲み物だろう? 少し飲ませてもらう」
と言いながらコップに注いで飲み始めている。
「よくもまぁ勝手に・・・ 一つ目ってことは、まだあるのか?」
「ふ~ これはオレンジか! ん? ああ、もう一つだけあってな それはコウ自身が召喚魔法をつかうことよ」
わからず飲んでたのかよ!と思ったがそれよりも気になる発言があったので・・・
「え!! 俺も魔法使えるのか!!!」
そっちに興味が完全に移り思わず身を乗り出してしまった。
「近い!! 少し落ち着け! 急がんでも教える」
少し興奮しすぎてしまったな そう思いながら俺は座椅子に戻った。
「ふ~ さっきの説明の続きな まず、この世界の魔法は、さっきも言ったようにイメージが大事なんだ。 私は、コウの世界のことをそこまで詳しくはない。だが、コウ自身は自分の世界のことについて詳しいだろう。ここまで説明すればわかるか?」
「つまり、俺がイメージして作った魔法であれば帰れるかもしれないってことか?」
「うむ、そういうことだ!」
リアがない胸をはってそう答えた。
(ふーん 俺が召喚魔法を使えばランダムなのが絞り込めるってことなのかな?てかそもそも・・・)
「そもそも、俺は魔法が使えるのか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます