宝箱の中で眠りに着いたら

突然日常が崩壊した。




何が原因なのか何が起こったのか何もわからない。俺が分かることはここが岩肌のむき出しの洞窟の中ということだけだ。地下鉄で移動中大きな地震にあった。電車は轟音を立てて横転しそこから先の記憶はない。頭痛が酷いことから頭を強打し気絶したのだろう。周りには何もない。乗っていた電車もほかの乗客も誰も何もない。




ここはどこだろうか?そんなことを思いながら足を進める。洞窟は前か後ろにしか道が続いていない。頭痛も酷く考えるのも億劫の中なんとなく前に進み始めた。




どれだけ進んだだろうか?頭痛も少し引いてきた気がしなくもない。小腹がすいてきたなと思い始めた頃、道が二つに分かれた。一つはこのまままっすぐ進む今まで通りの道。横にそれたもう一つの道はのぞき込むと小部屋になっていた。右端の隅っこに木製の宝箱だけが置いてある部屋。




宝箱?




小部屋を見渡してみたが宝箱がぽつんと置いてあるだけ・・・。もう一度隈なく探してみたがそれしかない。




俺はもうどうかしていたのだろ。何も考えずに宝箱へと近づき、無警戒に宝箱を開けて中を確認した。クッキーが入っていた。




ほんと何考えていたんだろうね当時の俺は・・・。クッキーを食べた。宝箱の中で・・・。




それから、小腹が満足したのか眠気が襲って来る。頭痛も酷いことからかその眠気に逆らわず、律儀にも無意識か宝箱の蓋を閉じて眠りに着いた。 いや、ホント、馬鹿なんだと思う。






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・・・日付が変わりました ダンジョンを再構築します




・・・ダンジョン内のオブジェクトを分解、情報回収




・・・マップをランダム配置 モンスターは一時的にリポップを停止します




・・・マップ オブジェクト配置完了 モンスターのリポップ開始








・・・エラーエラー ダンジョンオブジェクトイデアに生物情報の混入を確認 原因を調査




・・・原因を把握 想定外の事態により対処を検討 検討中 検討中 検討中 




・・・エラー情報を再構築することに決定 魔力浸透を開始 完了までの予想時間およそ・・・・




・・・エラー情報をもとに修正を実行 宝箱の開封と共に宝箱を消失させるように変更します








・・・魔力浸透完了 これより再構築を行います




・・・オブジェクトクラス ゴッド 




・・・生物 オブジェクト間の矛盾が発生 修正 ステータスに落とし込みます 




・・・はぁ~ めんどくさい ??? エラー エラー? 危険なし 違和感? 異常ではない 




・・・調査中 調査中 原因が判明 当混入生物情報によるものと判明 対策を講じます




・・・感情分野に関する情報を切り離します 当原因の存在にエクストラスキルとして付与結合します




・・・ステータス補足修正完了 以後今回の件に関して当エクストラスキルに説明を要求 強制です




・・・承諾確認 これより最終再構築を行います 私たちは人類のさらなる進化を望んでいます・・・






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ん~ よく寝た ここはどこだろうか? そういえば何してたんだっけ? んー? 




・・・おはようございます




ん!? ん? はい、おはようございます?




・・・これから現状を説明します しばらくそのままでお願いします




はい? 分かりました?




・・・まず、私はあなたのエクストラスキルとなった存在です ステータスを確認していただければわかるでしょう 次に現状ですがあなたは宝箱の中で寝るという私たちの予想外の行動をしました これによりあなたは分解され一度情報群になりました 現在のあなたは再構築された存在です その際に体の構成を魔力に変換されているためそれ相応のステータスに変更されました 確認してください




は? へ? 再構築? ステータス? なんかでた




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Lv:1


種族:魔力生命体 タイプ ヒューマン(魔人)


スキルポイント:-20


HP:4/4


MP:6/6


力 :2


魔力:3


防御:2


精神:3


スキル


魔力体


【再生】


【分解】


エクストラスキル


情報体ナビゲーション


【成長】


====================




お、おう~ 人間じゃなくなってる・・・




・・・確認していただいた情報がすべてとなります 質問はありますか?




んー 一度死んだということでいいのか?




・・・その認識でも間違いではありません 分解の際に発生した情報をもとに再構築している為、変わった個所があるとすれば体の構成成分のみです あなたという魂はブラックボックスのため干渉できず何も変化はないでしょう




まぁ あんなところで寝始めた俺が悪いのか・・・ というかなんであんなところに宝箱なんかあったんだ?




・・・あの宝箱はダンジョン内にランダム配置された物です たまたま、あそこにあったとしか回答のしようがありません




ダンジョン? そんなもの物語のなかだけだと思うのだが




・・・世界が変革したことによりダンジョンやステータスといったような仕組みが発生しました 同じ世界ですが法則の違う世界になったということです




んー 情報が多すぎて追いつかん 追々説明してくれ 最後に確認したいのはスキルポイントがマイナスになっていることなんだが




・・・それは今回の再構築の際に先行してスキルを獲得したためです スキルポイントは保持しているスキルを強化することができます 後で確認していただければわかりますがスキルの詳細を確認しようとするとスキルツリーが確認できるはずです そのツリーをスキルポイントを消費し強化していくことになります 今回はスキル内の必要な能力があった為特例として能力を取得、代償としてレベル20分のスキルポイントがマイナスとなっています




ということはレベル21にならないとスキルを強化できないってこと?




・・・そうなります レベルを上昇させるためにはモンスターを倒す必要がありますので頑張ってください 21なんてすぐですよ ちょちょいのちょいです




だんだん、本性表してきたな? まぁ、なるようになるしかないか でここはどこ?




・・・ダンジョン内です 進むしかありませんね




わかりました 進みますよ 進めばいいんでしょ?






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一向に出れる気がしねー。もうどれだけ彷徨っているのだろうか?




・・・かれこれ5年ほど彷徨っていますね~




だんだんこの声(情報体ナビゲーション、略してナビ子)にも慣れてきた。最近はイラっとくる言動が多いがそれも自分の状況から考えると八つ当たりでしかない。




ステータスに関してはこのダンジョンを彷徨っているうちに大きく上昇した。




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Lv:100


種族:魔力生命体 タイプ ヒューマン(魔人)


スキルポイント:0


HP:510/510


MP:801/972


力 :302


魔力:676


防御:266


精神:523


スキル


魔力体


【再生】(自身 瞬間 接触)


【分解】(接触 瞬間 空間)


【魔力】(消費量減少 MP、魔力上昇 操作性上昇)


【貯蓄】(ストック 収納)


【変質】(状態変化 属性変化)


【擬態】(模倣 同化)


【生成】(圧縮)


【不老】(疲れない)


【記憶】(思考加速 瞬間)


【五感】(鈍化 鋭敏化)


エクストラスキル


情報体ナビゲーション(ナビ子)


【成長】(感情 記録 第三視点)


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五年もダンジョンの中を彷徨っていたらレベルが上限に達した。スキル魔力体もすべて強化した。スキルを強化したことで発生した能力は使い続けるうちに徐々に使い勝手が良くなっていく。熟練度のようなものだろう。エクストラスキルにはスキルポイントを振れなかったのでまた別なのだろう。




適当に進んでいるうちに地上に出れるだろうと高をくくっていたのだがそんなに甘くなかった。能力の分解と再生もあり戦闘が苦労しなかったことも要因なのかもしれない。そこら辺をぴょんぴょん跳ねているスライムに触れて分解の能力を使うだけで戦闘が終わってしまう。他のモンスターも触れて分解すれば終わったので慢心を生んだのだろう。三日ぐらい彷徨った頃、レベル30になり一通りの能力を獲得していた。不老を習得してからは疲れも少なくなりこれなら近いうちに外に出られると思っていたのだ。まぁ、現状から察しは着くだろうが未だに出られていない。古典的な落とし穴にはまり地下深く、自身がどのぐらいの深さなのかもわからなくなるぐらい落下した。幸い再生の能力で命に別状はなかったが完璧に迷子になった。それからは我武者羅に道を進んでいき戦闘したり逃走したりを繰り返しいつの間にかレベルもスキルも上限になり今に至る。




ナビ子曰く、ここまでダンジョンの深部に入り込んでしまったのならば最奥に存在するボスを倒した方が地上に早く出られるのだそうだ。ダンジョン内は非常に入り組んでおり帰還方法を確立してから最奥に進むことを想定しているらしい。一層、二層と順に攻略していきダンジョンの自動変化を固定させることで最奥に進みやすくなるのだそうだ。それを俺は落とし穴にはまり今どこの階層にいるのかが分からない。ダンジョンは自動変化を固定化させないと日付が変わるごとにランダムに変化する。中に人がいた場合には大部屋、小部屋などの開けた空間にいないと通路の変化に潰されてしまう結果となる。




今俺がどこにいるのかは未だにわからない。この五年、階段を見つけ徐々に降りてきた。ナビ子に聞いたところ二十階層ほど降りてきている。予想ではあと一、二階層ほどでボスの間にたどり着くのだそうだ。今も少し小走りに移動しながら今日こそ次の階層への階段を見つけるべく探し回っている。さすがにずっとこの薄暗い空間にいるのは飽きた。視界が悪くならない程度には明るいのだがそれでも無機質な雰囲気の地下空間は気持ちを憂鬱にさせる。




時折、心動かすことといったら、そうそうこんな感じの大部屋に突然軽快な音楽が鳴り響くことぐらいだ。突然何の前触れもなく鳴り響く音楽。危機感を煽るような重低音のリズムを刻みながら床から滲み出るように現れるモンスターたち。天井からも現れ床に肉を打ち付ける音がさらにリズムを複雑にしていく。




そう、モンスターハウスだ。




最悪だ、今日三度目だ。一日でこうもモンスターハウスに遭遇することは今までなかった。月に一度当たれば運が悪いで済むのに今日は何なのだろうか?厄日か?いい加減にしやがれ!!




今日というこの日を恨んでいる間にもモンスターは迫ってくる。すぐに通路に戻ったとしてもここで発生したモンスターはどこまでも追いかけて来る。生き残るには全滅させるしか道はない。




上から落下してきたモンスターを体に触れると同時に分解する。正面を牙を剥き出しに迫って来た狼は少し横にそれて手刀を落とし分解で首を切断。後方から迫ってくる槍は触れると同時に穂先を分解。四方八方から迫ってくる魔物達を相手に被弾することを前提に接触することにだけ意識を向けていく。後方の通路からも魔物が溢れ出した。戦闘音に釣られて集まってきたのだろう。どちらにしろ逃げ道はないため戦いぬくしかない。手刀で分解、体当たりで分解、蹴りの通り道を分解、組み付いてきたやつを分解、武器を分解、牙を分解、爪を分解、被弾を分解、分解、分解、分解、分解、分解・・・・・




どれほど経っただろうか?周りに動いている者は俺だけになった。床や壁は真っ赤に染まり、徐々にダンジョンに吸収されていく。スキルの御蔭で身体的疲れはないが精神的には疲れた。息をつきながら周りを見渡してみると部屋の中心よりやや左に下層への階段を見つけた。ここにあったのか・・・




血だまりがなくなった床に腰を下ろししばらく休憩。血だまりがなくなったことによって露わになったドロップアイテムはあとで回収しよう。ざっと見た感じ牙や鱗、黒に近い紫色の石が多いように感じる。あの石は魔石だ。特定のスキルを使用するときに必要な物らしい。俺はそういったスキルがないため収納の肥やしになっている。あとは、瓶類が転がっているからポーションか毒物だろう。




10分ぐらいかな?だいぶ落ち着いてきたのでドロップ品をすべて回収する。そこまで時間もかからずに回収しやっと見つけた下層への階段を進んでいく。いつも道理の石畳の階段を下りていくとそこには大きな扉が鎮座していた。装飾は薄暗いため細部までは分からないがかなり凝った造りをしている。




・・・この扉の先がボスです 長かったですね~




おおー やっとボスか!長かったは俺が言いたい。初めの頃の逃げ回りながら経験値を稼いでいたころが今では懐かしいよ。よし、さっさと倒して地上に出よう!こんなところとはおさらばだ。とにかく地上に出たい。




はやる気持ちをそのままに黒塗りの大扉を押し開ける。扉を抵抗なく開き、中のひかりが差し込み、部屋の全貌が・・・




「・・・うわ~・・・」




魔物で埋め尽くされた光景が目に入った。その奥には筋骨隆々な牛顔の大男がその巨体よりなお大きい両刃の斧を肩に担いでにらみつけて来る。総じて、暑苦しい光景がそこにあった。




そこからの記憶は曖昧だ。迫りくる魔物を片っ端から分解していく。どこからか壊れたレコードのような高笑いが聞こえてきていた。生暖かい感覚が妙に全身に残っている。気が付いたときには斧を振り下ろした姿勢て最後の魔物を断頭していた。




あ~ 頭が痛い。体の構造上在りえない方向に動かし気持ち悪い動きをしていた気がする。思考回路が鈍い。あ?あー 左足が逆に向いてるのか。ん はまったな。ドロップを集めるか。うん 終わったぞナビ子 ここからどうするんだ?




・・・お疲れ様です 最後の方は人間じゃない動きをしていましたが大丈夫ですか?




ほっとけ それより地上に出るにはどうすればいいんだ?




・・・部屋の中心にクリスタルのような物体が出現しているはずです それに手を突っ込み引き抜いてください それがダンジョン制覇の報酬となります




見渡すといつの間に出現したのか一メートルくらいの水晶が空中に浮いていた。俺は言われたとうりにその水晶へ手を突っ込み何やらつかんだものを引き抜く。水晶はガラスが割れるような音と共に大小無数の破片に飛び散り溶ける様に消えていった。手に持っていた光もパッと消える。




・・・あとは自動で地上に転送されます お疲れ様ですこれにてダンジョンクリアです 




ナビ子の声を最後に俺の視界は白く染まり気づいたらどこか知らない木々の中に立っていた。後ろには見覚えのある石畳の階段が下へ続いている。これがダンジョンの入り口なのだろう。




終わりか。あー ほんと長かった。生きて帰ってこれたことに感謝するべきだな。誰にするかはわからねぇがな。




・・・これからどうするのですか? 五年も地上にいなかったことは死亡扱いになっていてもおかしくない年月ですけど




そうだよ そうなんだよ!地上に出れたけど問題が山積みじゃねぇか! 今日はもう疲れた。そこらへんで寝てから考えるよ。




俺は少し歩いた所にあった公園のベンチに横になり束の間の眠りに旅立つのだった。






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地上の世界は崩壊していたなんてことにはなっていなかった。




突然出現したダンジョンによって地下施設、地下鉄やトンネルなどが崩壊し何千人と行方不明になったそうだ。俺はその一人。しかし、ダンジョンから魔物が溢れることや地上に魔物が出現することはなく大きな被害はそこで止まる。小さな被害としては出現したダンジョンに何の準備もなしに入り、魔物に殺されてしまうことはあった。混乱をより大きくさせた要因はステータス。すべての人にレベルとスキルツリーによる強化が行われた。若者を中心に勝手にダンジョンに侵入し魔物を倒しレベルを上げる。レベルが一つ二つ上がっただけで身体能力が倍以上、スキルを強化したことで超常の現象が起こるようになる。これにより馬鹿が増長し犯罪が多発。警察や政府が対応しきれず混乱がより酷いものとなった。




結果は国が武力組織を編成しダンジョンに突入させレベルを上げさせる。大きく強化したことで質が上昇し鎮圧が行われた。今では暴動も静かになり犯罪も当時に比べれは激減している。ダンジョンもそれぞれの国が管理している。犯罪者は入れないように制限をしている。自衛隊や警察もレベルを上げたことで元の組織としての機能に戻った。これにより日本の治安はダンジョンの出現前と変わらない程度にまで落ち着いた。ここまで一年内の出来事。




治安が安定してからは発展が著しくなる。ダンジョンから産出されるドロップ品。中でも魔物を倒すと確定でドロップする魔石が新エネルギーとして扱われるようになる。原子力発電よりも高効率、自然にも圧倒的に優しいエネルギー変換に成功する。もともと想定されていたかのようにエネルギー変換は開発された。他発電所は徐々に数を減らし魔石による発電が主流になりつつある。




他にも様々な発展があるが大きい出来事はこれらだ。俺がダンジョンを彷徨っている間に地上では世界の転換期を迎えていた。俺からすると街並みは修復中、警察の巡回を今までよりもよく見るようになった、なんか知らん施設が多いぐらいの感想だ。一応住んでいたアパートに行ったがまぁ、予想どうり解約されており違う人がすでに住んでいた。すっぱり諦めてネットカフェ暮らしです。




この分だと仕事も無理だろう。まぁ入社して一か月も経たずにダンジョンに放り込まれたからな。連絡する気も起きない。気持ち的に燃え尽きて疲れていたのだ。地上に出れて緊張の糸が切れた感じだ。どうも頭が正常に回らない。




お金に関しては困らない立場にあったりする。電力の発電方法が魔石が中心になりつつあることもあり、この無駄に収納の肥やしになっていた魔石たちを売ることでお金にすることができる。一度に大量に売ると悪目立ちしそうだったので小分けにして売っている。売る場所はネットで冒険者ギルドなんて呼ばれている魔石のみの換金施設だ。政府が主導で運営しているらしく買い叩かれる心配はなさそうだ。




今はネカフェでステータスを確認しているところだ。見てもらった方が早いだろう。




====================


Lv☆:1


種族:魔力生命体 タイプ ヒューマン(魔人)


スキルポイント:100


HP:510/510


MP:972/972


力 :302


魔力:676


防御:266


精神:523


スキル


魔力体


【再生】Ⅳ(自身 瞬間 接触)


【分解】Ⅳ(接触 瞬間 空間)


【魔力】Ⅳ(消費量減少 MP、魔力上昇 操作性上昇)


【貯蓄】Ⅳ(ストック 収納)


【変質】Ⅳ(状態変化 属性変化)


【擬態】Ⅳ(模倣 同化)


【生成】Ⅳ(圧縮)


【不老】Ⅳ(疲れない)


【記憶】Ⅳ(思考加速 瞬間)


【五感】Ⅳ(鈍化 鋭敏化)


【転移】-()


エクストラスキル


情報体ナビゲーション(ナビ子)


【成長】(感情 記録 第三視点)


====================




能力値は変わっていないがレベルが1になった。もう一度レベルが上げられるようになったということだろう。スキルツリーは強化先が増えた。今までは四段階までだったがさらに三段階、七段階まで強化できるようになった。必要なスキルポイントは段階ごとに増えていく。一段階=1、二段階=2、三段階=3、四段階=4というように増えていく。七段階まで強化するには28ポイント必要になる。あと、新たな能力とし【転移】が追加されていた。まだ、開放していないので具体的にどんな能力なのかはわからないが名前からして便利であるのは間違いない。




とりあえず、今持っているスキルポイントを割り振っておこう。ナビ子と相談だな。これからどうするかはそれからだ。






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やべぇ、政府に目をつけられた。どうやら、魔石の換金に問題があったらしい。俺が換金した魔石は殆どがダンジョンの深層で入手した物だ。上層よりも魔石内に含まれているエネルギー量が桁違いに違ったらしく疑われたようだ。その上、五年前に失踪扱いになっていることも調べ上げられたようで警察に連行されそうになった。重武装の警察官が大勢ネカフェに集まりどうも俺の意見は聞く耳を持ちそうになかったので逃走した。




今は、逃走の果てに結局、ダンジョンに突入している。厳重に管理されているダンジョンだったが新しく手に入れた転移を使えば何も障害なく侵入することができた。




こんなにも簡単に逃走できたのはダンジョンでの経験と転移能力、あとナビ子の存在だ。ナビ子の第三者視点で一早くネカフェの外の状況を知ることができたので気づかれることなく逃走に成功した。




また、しばらくはダンジョン暮らしになりそうだ。地上に出れた少しの間に娯楽や趣向品は好きなだけ買うことができた。前回よりは気持ちに余裕をもってダンジョン暮らしが出来ると思う。こんな状況になってしまったしどうせならこのダンジョンも攻略してしまおうと思う。ナビ子に相談したところ不満はないようなので行動に移そう。




「さて、しばらく世話になるなダンジョンよ 前よりも短く攻略してやるさ」




・・・無理じゃないでしょうか? 地上ですらトラブルに落ちるのですから今回もまたそうなのでしょう? 私は分かっています 一緒に頑張りましょう!




俺はトラブルメイカーではないはずだ 気をつければ問題ないはず




ナビ子の言葉が不安だが二度目のダンジョン攻略が始まった。






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前回よりも酷くなってやがる。都心の中心にできたダンジョンという理由もあると思うがそれにしても酷くないか?日に一度はモンスターハウスに引っかかるし宝箱もうまみがない。階層が多いのは仕方ないが外れの階層があるのは酷くないか?それもほぼはずれの階層を引くせいで異常に時間がかかってしまう。




・・・このダンジョンは50層ほどですが分岐する階層が多いですね でも、そろそろじゃないですか? 49階層まで引き返すことなく来れましたし次の階層がボスだと思いますよ?




だといいな~ ここまで来て下に降りる階層がないとかなったら立ち直れそうにないよ




そして例のごとくダンジョンの最終階層に地下ずくと例の曲をよく聞くようになる。今日はもう四回聞いている。俺も強くなったから殲滅するのも早いがそれでも面倒なものはめんどうだ。




今の俺のステータスはこれな




====================


Lv☆:100


種族:魔力生命体 タイプ ヒューマン(魔人)


スキルポイント:5


HP:1526/1526


MP:3012/3012


力 :607


魔力:999


防御:542


精神:999


スキル


魔力体


【再生】Ⅶ(自身 瞬間 接触)


【分解】Ⅶ(接触 瞬間 空間)


【魔力】Ⅶ(消費量減少 MP、魔力上昇 操作性上昇)


【貯蓄】Ⅶ(ストック 収納)


【変質】Ⅴ(状態変化 属性変化)


【擬態】Ⅶ(模倣 同化)


【生成】Ⅶ(圧縮 複製)


【不老】Ⅶ(疲れない)


【記憶】Ⅶ(思考加速 瞬間 深層)


【五感】Ⅶ(鈍化 鋭敏化 遮断)


【転移】Ⅶ(視点 座標 次元)


エクストラスキル


情報体ナビゲーション(ナビ子)


【成長】(感情 記録 第三視点 操作)


====================




レベルは100になった。あれだけモンスターハウスに遭遇して殲滅を繰り返したら嫌でもレベルが上がる。




何が影響しているのかはわからないがHPとMPは前回よりも大きく上昇している。魔力と精神はカンストしているようだが体感ではまだ上昇しているように思う。ステータスの表記が999までなのかもしれない。スキルは【変質】以外上限まで強化した。




そうこうしているうちに本日五度目のモンスターハウス。一瞬見えた視界の端に階段が確認できたからこれが最後だろう。はぁ~、長かった 今回はどれだけ時間が掛かったんだ?




・・・今回は3年ですね 前よりも短いですよ?




あれ? そんなもん? 体感で6,7年ぐらい経っているように思ってたけど違ったか それもこれもモンスターハウスのせいだな うん、そうに違いない




・・・やっぱり、トラブルメイカーですよね~ 災いを呼ばないと気がすまない体質なんでしょうか?




いやいや、平和が一番よ? のんびり、だらだらが最高でしょ!




・・・話はそのへんで 殲滅してボスを倒して地上に出ましょう 続巻も出ているでしょうし早くしましょう!




へいへい 分かりましたよ






ここから先は前回とそう変わらない。分解して分解して分解するだけだ。疲れたら転移で安全地帯に移動。それ以外はとにかく分解、バラバラにする。もう慣れたもので殲滅しながらドロップ品も回収している。流れ作業でボス部屋に突入。首の多い竜種が一匹いるだけでそこまで時間もかからずに討伐が終了する。




水晶に腕を突っ込み引き抜くと綺麗なエフェクトが散りダンジョンの入り口前に移動した。移動してすぐ周りの人に気づかれないように路地裏にすぐさま転移。ステータスを確認するとレベルの横の星が増えレベルリセットスキルポイントを100獲得、新しいスキルとして【分裂】を取得した。






==========================================






それから、俺たちは逃走とダンジョン攻略を繰り返すことになる。政府に捕まらないように地上で買い物を済ませダンジョン攻略を繰り返す。日本全国を回った後は海外のダンジョンにまで手を出した。これによりすべての国家から追われることとなったが一度も捕まることはなかった。




悪いことは何もしてないのだが国としては何としてもダンジョンの攻略情報が欲しいらしく追われることになる。説明しようかとも思ったこともあったが追っての中に裏の住人も混ざるようになっていたので大人しく逃げることに徹した。




世界中を回った後はどうしようか?そこから先は何も考えていない。ナビ子と相談して面白おかしく生きていこうと思う。






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