1-2 レベル制です。
【前回までのお話】異世界召喚ハードモードの牢屋スタートかと思いきや、なんかレベルMAXだったそうです。【以上】
「シーさま、ナイス陣踏んじゃったッス」
さきほど
「踏んじゃったのは、もう魔が差したとしか……。ちょうど昨日まで『後宮悪役令嬢に転生した女子高生があやかし
「悪質な当たり屋ッスよ。なんスかそのタイトルの
「
「そっスか……静かにッ!」
「へ? ひぃっ!?」
と、突然ジュンヤさんが私に抱き着いてきました。
「一般家庭なら深窓も箱入りもないッスよ。オークが来ました。じっとしててくださいね」
私は男の子の好きにさせてあげるいい女なので従順に頷きました。どちらにせよ抱き締められ押し倒されたショックで、マシンガンのように脈を刻む心臓以外はほぼピクリとも動きませんでしたが。
「うるせぇと思ったら、なんだぁ?」
ややあって、のっしのっしと地面を踏む音と、二体のオークさんの野太い声が響いてきました。
「ハハッ! 見ろよ、さっき捕まえたヒトのメスとオスが発情してやがるぜ」
「こいつはいいや。繁殖させりゃ、売り飛ばす先が増えるってもんよ」
フガフガと鼻の詰まったような笑い声をあげて、オークさんたちは去っていきました。
「行ったみたいッスね」
ジュンヤさんは改めて息を殺し話し始めます。
「シーさま、さっきの
「ステータス画面」
「このオージャニアには“
「レベル制」
お話のIQが急転直下でタダ下がりました。
「どうしてそんなすっとこどっこいな」
「その話はあとッス」
あとだそうです。
「授かった異能は、自分のレベルを他者に貸し与える
ふむ。
異世界で召喚されたらレベル100でした。
むふ。
「へー。なんか良さそうですね。まぁ
表情に出さぬよう、控えめに言います。
「ジャンルの最果てみたいなキャラ文芸読んでる女子がなにをニヤニヤ笑いながらイキッておられるんッスか」
…………。
「ちなみにですが、ジュンヤさんのレベルは?」
「1です」
「ごみめ」
「面目ないッス」
とんだ張り子の子猫さんだったジュンヤさんです。
「レベル100ってんなら俺の出る幕はないッスね。とっととこんな牢獄抜け出してやりましょう! やっちゃってくださいシーさま!」
すがすがしいほど三下キャラなジュンヤさんです。
が。
「無理です」
「はい?」
「
「……なにごとも初めてはあるッス」
「痛いのとか嫌なので」
「え~……」
「だから―――」
【
「ちょ……なんスかこれ、力がみなぎって……!?」
「ジュンヤさん、代わりに戦ってください」
【
『サトウ・ジュンヤ』種族:人間 役職:闘士
他世界“チキュウ”からの召喚者。
Lv.81
瞬発力202
耐久力190
魔法力174
【見析終了】
「
【続きます】
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