私のレベル、お貸ししますっ! ~異世界クラス召喚に遅刻して、最初からレベルMAXだけどあんまり意味なくて、チートスキルがあんまり役に立たない私が使い捨てパーティのみなさんと頑張る素敵な物語です。
祖父江直人
厄介1.聖騎士オーク
第1話 貸しますっ!
1-1 牢屋スタートです。
みなさんこんにちは。
そしてさようなら。
この、どことも知れない異世界の穴倉で。
お父さんお母さん先立つ不孝をお許しください。
思えば今日、何の変哲もない11月の朝という名のほぼお昼に目覚め学校に遅刻したのがケチのつけ始めでした。
「ちなみに何時だったんスか?」
「12時半」
「
その後、しょうがないのでお昼を食べてから登校したら、
「割と良い根性してるッスね」
誰もいない教室に謎の魔法陣が描かれていました。
「怪しいッスね」
パーッと光っていました。
「パーッと」
なんなら校門の手前からもう窓がパーッとパーッとしてました。ゲーミング魔法陣でした。
「なんとも怪しいパリピ陣」
それを踏んでしまったのです。
「どうして」
「やかましいッス」
気が付いたらこの異世界にやってきてしまったのです。
「オージャニアっス」
オージャニアという名前だそうです。
「いわゆる剣と魔法の世界ッスね」
そして、どこだか分からない山の中に召喚されたと思ったら、
「リブカ山ッス」
何だか分からない屈強な魔物さんに囲まれてしまい、
「オークの山賊団ッス」
ここに連れてこられました。
「巣の牢屋ッス」
詰みました。
「詰み早い」
って、あれ?
「口に出てましたか?」
「出てたッス」
見ると、私より少し上くらいの男の人がいました。人懐っこい笑みを浮かべています。
「人生初ナンパです」
「死ぬとか言ってる割に余裕ッスね」
「そんなことはありません。
「ちんちくりんで
今わの
「ところで、しーってなんスか?」
「
「
割と話は分かりそうです。
「俺は、サトウ・ジュンヤって言います。雨野……シーさんの今わの際に現れた失礼な男です」
何もかも口に出てるようです。内心の自由が私自身によって侵されています。
「そのいかにも女子高生って感じのセーラー服と顔と名前から察するに、シーさん
何とも軽薄な語尾が特徴のジュンヤさんは言いました。こんなモブ顔日本人男子じゃなくて異世界のイケメンに会いたかったです」
「内心のお漏らしが酷い」
はぁ。せっかく異世界に来たのに牢屋スタートなんて。
「オークに殺されちゃうんだ私……、チート、逆ハー、スローライフ……」
「欲望が中二過ぎる……ん? そういえば雨野さん、異世界からの“召喚者”には異能が与えられるんスよ」
「まじすか?」
「マジッス。ちょっと目をつぶって集中してみてください」
ジュンヤさんの言われた通りにします。
おや? 頭の中に何やら数字が浮かんできました。
【
『
異世界“チキュウ”からの召喚者
Lv.100
【特性】
【見析終了】
……なんだこれ?
「レベルMAX……ステータス全部カンスト……」
と、ジュンヤさんが目を見開いていらっしゃいます。
「シーさん」
「はい?」
「シーさまとお呼びしても?」
「よかろうなのです」
みなさんこんにちは。
あがめ
【続きます】
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