第15話

 学校近くの喫茶店で僕たちは四人席のテーブルに座って、その依頼者が来るのを待っていた。

「それで、天童先輩、運命の人とやらの見当が、もしかしてついていたりしますか?」

 さっきも飲んだというのに、また紅茶を飲んでいる間藤が、ティーカップを置いて、先輩に聞く。うーんっと唸ってから、鞄の中からタブレットを取り出して、先輩は机の上にそれをのせた。

 カランコロンと鈴の音がして、タブレットから目をそらして、ちらりと遠くに見える入り口に目をやる。そこにあった人の姿が目に入るやいなや、すぐさま視線をテーブルに戻した。

 そんな僕の挙動を知ってか知らずか、僕が目をそらした方向を向いて先輩は軽く手を挙げる。トントンと軽い足音がこちらに近づいてくるのが聞こえた。

「やあ、山神さん。わざわざ来てくれてありがとう」

「いえ。それで、その……、お二方は?」

 顔を上げると、やはり、さっき見た少女だった。茶髪にカラコンをしているのか目の赤い、少し小柄な少女だった。

「ああ、ごめんね。先に紹介するべきだった。二人とも僕の助手みたいなものでね、こっちが桜木、そちらが間藤さん」

 勝手に助手にされてしまって少し癪だが、そんなこと気にも留めないように滑らかに会釈する間藤を見て、僕も軽く頭を下げた。

「それで、天童さん、見つけてくださいましたか?」

 間藤の隣の椅子に座るなり、山神さんはそう言った。先輩は先ほど取り出したタブレットをいじりつつ、声を返す。

「結論から言うと、見つけられたと思う。まあ、とりあえず、これを見てみて」

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