第18章-1
【 18 】
気づいたときにはベッドにいた。熱はだいぶ
「おっ、気がついたか」
「ん、お前がベッドまで運んでくれたのか?」
「まあな。ちょっと手こずったが、なんとか一人でできた」
「ありがとうな。ところで、いま何時だ?」
「えっと、三時になるとこだな」
彼は
「きっと、そろそろカンナちゃんも来るぜ。突然倒れたって言ったら大声で
徹はひらいた手を
「おいおい、まだ起きちゃ駄目だよ。熱は落ち着いたようだが、さっきまで気を失ってたんだぜ」
「うるさい。お前、マジでカンナを呼んだのか?」
「あっ、来たな。ほら、
目をつむり、彼はベッドに沈みこんだ。痛みに
「大丈夫? 倒れたって聴いて、私、びっくりしちゃって、」
「いま目覚めたとこだよ。熱も少しは下がったみたいだ。でも、カンナちゃん、ここにゃ体温計とかないのか? 探したんだけど見つからなくってさ」
「あるわよ。――っと、その前に、ほんとありがとうね。私、むちゃくちゃびっくりして、お礼言うのも忘れてたわ」
「いいんだって、そんなの。だけど、
窓は
「あのな、もうちょいでいいから静かにしてもらえないか? 頭が激しく痛いんだよ」
「ああ、ごめんなさい。――ほら、熱計って。もしまだ高いようなら、お医者に行かなきゃね。
「ん、大丈夫だ。頭が痛いだけだよ」
徹はニヤついてる。蓮實淳は目を細めた。
「どうした? なんでそんな顔してる」
「え? 俺のことか? ――いや、えっと、そうだな。とりあえず薬局に行ってくるわ。なんか
足音が
「ほんと、どうしようもない人の割りには気が
「ああ、接客してる人間らしいよな。――ま、気が回り過ぎてるとこもあるけど」
「でも、ほんとに大丈夫なの?」
「大丈夫だって。ほら、ここんとこいろいろあったろ? それで疲れが
「なら、いいけど」
カンナは
「ねえ、」
「ん?」
「ちょっと思ったんだけど、これが終わって、いろんなことがすっきりしたら、私たち長い
「長い休暇か。そりゃいいな」
「でしょ?」
ベッドに腕を乗せ、カンナは口をすぼめた。白い
「どうした?」
「え?」
「なんか突然ニヤけだしたからさ」
「そうだった?」
「あのね、」
「ん?」
「私、」
ピピッ! ピピッ!
――ちっ! 横を向き、カンナは口を
「どう?」
「ん、三十七度五分だな」
「
風はうなりを立てていた。
「ああ、早いな。徹が帰ってきたみたいだ」
「おーい、いないのか? ――いないみたいだな。でも、なんで
「だから言ったじゃないっすか。昼過ぎに会ったって。あいつはほんと
蓮實淳は笑った。カンナも大きく口をあけている。
「行ってきてくれないか? 俺はまだ動けないようだ」
「わかった」
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