第2章-6
それから彼らはいかにして浮気相手を捜すかの相談をした。大和田義雄の勤め先はキティのテリトリーにあるので、近くに張り番を置く。つなぎの猫も用意して、それらしい相手と会っていたら
「あんた、他にも気になることがあるって言ってたね。そっちはどうするんだい?」
「その男の周辺に
「わかった。一度、――そうだね、明日の夜にでもみんなを呼ぶから、そんときに写真を見せとくれ。あの小娘がいなくなってからにするからね」
床に飛び降り、キティは顔をあげた。まったく妙ちきりんなことになったもんだよ――そう思ってる。アタシが人間の役に立ってやろうとするなんてね。ま、だけど、しょうがない。この人は特別だからね。
階下へ降りるとカンナは居眠りしていた。キティは意味ありげな表情をしてる。首がこくりこくりと動くのを
「じゃ、また明日だね」
「ああ、頼むよ、キティ」
外はうっすらと白くなっていた。ふたたびカンナを見つめ、キティは出ていった。道に小さな
「ん? あれ? 私、眠ってたの?」
「そのようだな」
彼は向かいに座った。カンナは腕を大きく伸ばしてる。まるで猫だ。
「あなたのお客さんは帰ったってこと?」
「ああ、いま出てった」
「で、浮気相手は見つけられそうになったの?」
「まあね」
ふうん、二階でなにをしてたのやら。でも、寝起きの頭はもうなにも考えたくないと言ってる。ふと見ると、彼はいやに真剣そうな表情をしていた。
「なあ、カンナ、言っとくことがあるんだ」
「え? なによ。改まって」
カンナはちょっとだけ
「いいか? これはマジで言うことだからな。心して聴くんだ」
「うん。で、なに?」
「今後、キティにはネズミのオモチャを使わないように。わかったな?」
二人はしばらく見つめあった。カンナは
「はあ?」
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