第2話 再会

 入学式。悩んだ末に決めたこの共学校にわたしはこれから三年間通うことになる。

あえてあまり同じ中学の子たちがいない高校を選んだ私は、一人廊下を歩いてゆく。


クラス内では既に友達作りが始まっているらしく、教室は大分騒がしい。入らないと私の高校生活は始まらない、腹を括ってドアを開けると強い春風が吹き込んできた。

思わず窓側に目をやると、そこには日の光を反射してキラキラ光る茶髪が風になびかれていた。あの子だ。


名前も知らないあの子はただ一人机に頬杖をついて窓の外に目をやっていた。


話しかけようか。いや、やめておこう、今は。どうせクラスメイトだ。いつかは話す時が来るだろう。いやまあ、たまに一言くらいしか喋らずにクラス替えが来てしまうクラスメイトとかもいるんだけど、その時はその時か!別にこの子と絶対仲良くなろうとか思ってるわけじゃない。花の女子高生時代が腐らない程度に友達ができればそれでいいかな。とまあ、そんなことを考えつつ自分の席に着く。



 HR。一年の始まりは皆これで始まると言っても過言ではない、自己紹介。

私の出席番号が十三番だからまあ考える時間はある。とりあえず名前と、出身中学、あと中学時代の部活と軽く趣味を、なんて考えているうちに順番がきた。


黒板の前に立ってひとまず名前を、と思った時、目があった。髪の毛と同じ色をした透き通るような美しい目だった。

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