とある乙女ゲーマーの告白

臨時若女将の大奮闘！『ゆのはなSpRING！』

　コロナ禍になってから、旅行に全く行けなくなり、そろそろ温泉でも入りに行きたいと思い始める今日この頃。寒くなってきましたし、尚更ですよね。

　そこで、今回は温泉旅行気分を味わえる湯けむり乙女ゲームを紹介します。

『ゆのはなSpRING！　～Mellow Times～　for Nintendo Switch』

　こちらは本編とFDを同時収録した移植版です。

　この作品は乙女ゲーム初心者の方にもおすすめです。平和で明るい作風、癖もそんなにありませんので、とてもプレイしやすいと思います。

　主人公は「三條ゆのは」、ファッションデザイナーとして働くため、就職浪人中の身です。

　金沢にある実家は「福寿楼」という温泉旅館。しかし、ゆのはは自身の夢を追うために母親の反対を押し切って上京、東京で勉強していました。

　しかし、旅館の女将である母親が病気で倒れてしまったため、急遽就職活動を休止、実家に舞い戻り、臨時若女将を担うこととなります。

　夢に向かって真っ直ぐ突き進む頑張り屋さん。負けず嫌いな性格で、客足が遠のいている温泉旅館を復活させようと、あの手この手で奮闘します。

　それでは、攻略対象を紹介します。

　片桐金太郎（CV KENNさん）

　ゆのはの幼馴染で、福寿楼の番頭見習い。旅館を大切にする思いは人一倍で、若女将になることを嫌がるゆのはを無理矢理に引き止めました。

　熱血系で旅館のためにと奮闘するも、勢い余って空回りすることも。

　佐伯宏太（CV石田彰さん）

　福寿楼の二番板前。腕は見事ですが、創作料理の名前が独特過ぎる点が玉に瑕。料理に対する熱意はとても強く、日々修業と研究を重ねています。

　無口ですが、とても誠実な性格です。

　泉高平（CV木村良平さん）

　福寿楼のライバル旅館「清峰閣」の従業員。ですが、よく福寿楼に遊びに来ています。あまりにも福寿楼に溶け込んでいるため、本当に清峰閣で働いているのか、疑われてしまう始末。

　福寿楼が気に入っているから顔を出しているそうですが、その真意は不明です。ゆのはのことを可愛いと口説きますが、毎度塩対応をされています。

　葛城直昌（CV杉山紀彰さん）

　福寿楼で働き始めたばかりの新人部屋係。頑張っている様子は見られますが、失敗ばかりしてしまうようです。ゆのはから仕事を教わって、一人前になろうと努力中です。

　素直な性格をしているようですが、何気ない発言に腹黒さが感じられることも。

　香賀梅ノ介（CV津田健次郎さん）

　福寿楼常連の宿泊客。しかし、近年は少し足が遠のいていた様子。何か事情を抱えているのか、どことなく影のある男性です。

　ゆのはや金太郎のことは、彼女らが子供の頃から知っています。そのため、ゆのはの成長を感慨深く思っているようです。

　とても平和な作品です。暴力も人死もありません。少女漫画のような、可愛らしいテイストのイラストやシナリオなので、少女漫画が好きな乙女ゲーム初心者さんにおすすめです。

　因みに、イラストの担当は『ピオフィオーレの晩鐘』のRiRiさんです。本当に、イラストの雰囲気が全然違うので、当初驚きました。しかし、キャラクターの髪型や衣装がスチルごとに描き変えられている点は同じなので、スチルは見ていて楽しいと思います。ゆのはの服と髪型が本当に可愛いです。

　現代設定でファンタジー要素は一切ありませんから、そういったジャンルが好みの方は嬉しいのではないでしょうか。恋愛についても、等身大の恋と言いますか、リアリティのある内容になっています。

　それでは、攻略順と推しについて。

　金太郎→佐伯→直昌→高平→梅ノ介の順でプレイしました。

　梅さんは最後にした方が良い気はしますが、この作品はそんなに攻略順を気にしなくても大丈夫だと思います。他のルートに関する伏線等も、そんなに重大なことはありませんので。思うがままにプレイすることをおすすめします。

　推しは高平ですね。高平個人に惹かれることもありますが、何よりも高平ルートのシナリオが好みの展開でした。ネタバレになってしまうので、あまり詳しくは言えませんが、普段の高平とのギャップに萌えましたね。あと、このルートのゆのはが良い。

　あと、梅さんがずるかったです。このシナリオは、もうずるいとしか言いようがありませんでした。ただ、梅さんの設定には少し癖がありまして、若しかしたら地雷の方がいるかもしれません。ネタバレになってしまうため、設定自体は言えないのですが、地雷が多いという方は事前に調べて頂いた方が良いと思います。

　とても平和で王道な乙女ゲームです。巷における乙女ゲームのイメージ通りといった感じの作品なので、この作品から乙女ゲーム界隈に足を踏み入れられても良いかと思います。