別れ話のちのお見合い
「話って何?」
「ああ 俺さ、俺には絵美を幸せに出来ないわ」
「なんで?」
「.....正直、俺は最低だ。絵美が若くて可愛いから、それだけだった。俺なんて大したやつじゃない。絵美ならいくらだって相手みつかるだろ。」
重い、怖いとか言えない....俺
「じゃセフレでもいいよ」
「は?」
「まだ、やってないけど。やりたくないの?」
急に悪そうな顔をする絵美に、俺の心はキレた。
「おまえな、ちょっとは自分大事にしろ。あんな何時間も外で待ったり、メッセージ送りまくったり。重いぞ。もっと自信もて、自尊心を持て。己を磨け、中身をな。
おまえ、可愛い顔して笑えるんだから。セフレになんかなんなよ。」
「なに、めんどくさ。じゃいいよ。二度と連絡してこないでね。」
あ、俺は完全に世話焼きおっさんみたいだった。
自分だって中身なんかないくせに
ただクソババアから逃げたいだけのくせに
そりゃさ、ヤりたかったよ
俺だって男ですから
でもさ
重いんだよ.....
その後、親からのいつ結婚するんだの催促の嵐に結局俺は「別れた」と白状する......。
そしてやっぱり、見合い話がやってくる。
「あのさ、違う人いないのかな。その......もう少し歳の......」
「なにを!けしからん!自分の力で結婚出来ない男が、人様を会う前から拒むなんぞっ。私はそんな奴に育てた覚えはない。」
ははー父上。参りました......。
よし!
俺はまたもや、決心をした。
絶対に嫌われてやる!こんな奴と結婚したくねーと思わせてやるんだ。
―――お見合い当日
「初めまして
「初めまして 大須賀 和輝です」
「では。後は若い二人で、若くはないかしらおほほ」
この松の木に、石畳、砂利。
あのときの俺は、アホみたいに愛想振りまいたんだっけ。紀子は、俺の3つ上。
たしかに、この日はババアには見えなかった。要は性格の問題だな。
「ふ なんだか恥ずかしいです。話す言葉が出て来ない....」
なんだよっ、あれせーこれしろ。バンバン叫び散らすくせによっ。
「そう?俺は別に」
「え、そうですか」
「........はあ めんどくせっ」
「面倒ですよね。こう、あらたまると......」
「ああ 結婚とか、もっと自然にしたいんすけどね。親がうるさくて」
「うちもです。まあ相手居なかったので仕方ないですが」
あ、俺何普通に会話しそうになってんだよ。
「........」
「無口ですね 和輝さん」
「ああ はい。結婚しろっていうなら諦めるしかないんですかねぇ。好きでもない人と結婚したら俺はきっとそんな人、大事に出来ないと思います」
「........」
あ、黙ったな?クソババア。よし。
翌日、早々に返事が来たという。
絶対お断りだろ。俺はガッツポーズの準備をする。
「和輝!紀子さん、あんたをとっても気に入ってくれたようよ。良かったわね」
なんでやねん.......
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