第2話 文芸部2

文芸部とは名ばかりの部活。

本は読まないし、誰も別に本は好きじゃない。

けれど毎日のように部室に集まって雑談をする。かれこれ半年はこうしている。

最初は僕だけの文芸部だった。入学してすぐに部員のいない文芸部に入部した。入部させられたという方が正しい。一年の時に担任が文芸部の顧問がで「もし今年一人も部員が入らなければ廃部になる、そしたら私はテニス部の副顧問にさせられる。外の部活は疲れるからやりたくない」と頼みこまれ、仕方なく入部した。入部したおかげで一人だけの部室と自由に使える部費を手に入れた。部費は何に使うわけでもないが、とりあえず一人だけの空間を手に入れられたからそれは入部したメリットだった。

七月になってチカが入部した。軽音部に所属していたチカはギターのうまさを先輩に妬まれ居づらくなったらしい。それで軽音部をやめたところを文芸部に入らないかと僕と同じように誘われ入部したらしい。

ゴリは元々野球部だった。うちの高校には野球の推薦で入学した。

けれど夏合宿の練習中にケガをして、もう野球ができなくなったらしい。本来であればそのまま野球部に在籍し、マネージャーとして参加しないといけないが、なぜか野球部をやめて、僕とチカ同様に文芸部に誘われて現在に至る。


文芸部は大体こうして三人集まって、各々好きなことをするか、他愛のないことを話す。

そして文芸部の人たちだけは僕の絶対に知られたくない秘密を共有している。

たまたま知られてしまっただけだけれど。

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