クソサイトワロタ

「アイムソーリー、アイ、遅れた。」


僕は上がる口角を抑えながらリビングに戻った。

ありすさんは相変わらず体育座りをして、ぼーっとしている。


やべぇ、ただぼーっとしてるだけでこんなかわいいなんて、サイキョーかよ!!


僕は彼女の前に、同じように体育座りをして、目線を無理矢理にでも合わせて言った。


「ユウー、ドリンク、ワント?」


どうだ!!これなら無視せざるを得ないだろう!!!!


僕はキマったぁとドヤ顔をかます。


「……………。」


それでも、ありすは話しません。


ち、ちきしょー!!!!!!


僕はゆらりと立ち上がって、トボトボと扉の方に歩き、


「もうスモールだけ、マッテテネ。」


そう言い残して部屋を出た。

くっっっっっっっっっっっっっっっっそぉぉぉおおおお!!!!!!!!!!!!


僕はやはり早足で廊下を進んでいく。

目指す先はやはりお父さんの書斎!!!!!


「失礼シャース。」


僕はなれた手付きで中に入り、今回も辞書…………じゃなく、PCに向かう。

ふふふふ、僕も成長するのだよ!!


昔テレビで、英語は『ブンポー』が大事って言ってたからね!!その『ブンポー』とやらを知ってやろうではないか!!!


僕はお父さんのパソコンを立ち上げて、かのグー○ル大先生に『英語 ぶんぽー なにそれ』と打ち込んで、


「よろしくお願いしまぁぁぁすっ!!」


そう叫びながら、エンターキーを押した。

ふぅ、これで地球は救われたぜぇ。


そんな茶番は程々にしておいて、僕はモニターに映る検索結果に目を通す。


『3秒で分かる英文法!』

『バカでも分かる英語!』

『アホンダラもwktkしちゃう超簡単文法!』


…………おいなめとんのかぁ!?


なんだよ3秒って!!読むことすらできんやろ!


バカでもわかるって!!まだ小学生なだけでそんな言われるほどバカじゃないし!!


アホンダラもwktkとか完全に煽ってんだろぉがよ!!ふざけんなぁ!!!


「ふぅ………ふぅ………むかちゅくぅ…!!!」


僕はパソコンのモニターを殴りたくなるのを必死にこらえながら、マウスを走らせる。


『クソでもトイレしながらでも分かる英語!』


「はいつぎ!!」


『君等も今日からスワヒリ語マスター!!』


「英語がいい!!そんなどこの人が使ってるかも分からないのより!ナウはイングリッシュをワントしてる!!」


『【元塾講師が教える】3分で英語がペラペラになる不思議な話』


「釣りっぽぉい!!3分でなれるなら学校教育はいらんのよぉ!!…………はぁ…はぁ……」


僕はつっこみで肩で息をしながら、これで頼むとマウスを動かした。


「頼む……まともなのを………ありすさんがぁ、待ってるんだぁ………」


キリキリとマウスをかなり動かして、目を開けるとそこには……。


『英文法 基礎英語講座』


「イエッス!!!!イエスイエス!!アイ、ワント、イット!!!!」


僕は神様とパソコン様に感謝しながらそのサイトを開いた。

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