31話 新商品!

~みなもクッキング~


1.じゃがいもの皮をむき、すりおろします。


2.すりおろしたじゃがいもを荒い布で包み、紐で口をしばります。


3.器にたっぷりの水を入れ、布に包んだじゃがいもをつけて、10分くらい水の中でふったりもんだりしましょう。


「ふーむ……正直じゃがいもをこうする意味が分からんのう……」

「大丈夫! 信じてやってみて!」


 そんな感じでジャガイモの調理を淡々とこなしていく……


「さ、しっかりと絞ってじゃがいもを取り出して!」

「うん!」


 そうして、器には白濁色の液が溜まっている。

 ガウレスはそれを流れる様に捨てた。


「あー! ガウレス!!」

「え! ど、どうしましたか?」

「その液を使うんだよ!! 捨てちゃダメだよ!」

「なに! この液体を!? 灰汁か何かかと思いましたぞ……」

「ガウレス……やり直しね♪ 何か捨てたりする前にはちゃんと聞いて!」

「は……はいですぞ……」


 ガウレスがいつもより小さく見えるのは、きっと気のせいでは無いのだろう……。


・・・


 そんなこんなで最終工程まで来た。水を放置し、白い粉が沈んだらうわべの水を捨てて粉だけにしていく。

 最終的にもう一度思いっきり水を入れて放置……静かに水を捨てる。


「こうして完成するのが……片栗粉です!!」

「こ、この粉が……?」


 ガウレスは心配そうな声を出した。


「お姉ちゃん……ぱさぱさでまずいよこの粉……」

「ふふ、シアったら慌てん坊ね! これは原料よ! ジャガイモから作った小麦粉みたいな物ね!」

「なるほど!! これを焼いて何かを作るんですな!!」


 ガウレスの表情は明るくなっていた、


「ふふん。これは焼かないよ! これに、小麦粉と砂糖と水と……混ぜてー……」


「おお……パンの生地みたいに!」

「小さいサイズに丸めるよ! そして沸騰した水にいれて浮かんできたら完成!!」


 みんなで生地を丸めて、団子状にしていく……。


 シアはここまで一生懸命せっせと手伝ってくれた。

 料理のお手伝いも楽しいって思ってくれてるのかな?


「よし! 白玉の完成ー!」

「おー!」

「これがみなも様が作りたかった食べ物!!」

「二人が手伝ってくれたから早く出来たよ! シアも頑張ったね!」

「へへ……」


 シアは照れくさそうにしている。


「とりあえず砂糖だけかけても美味しいと思う! 早速、実食よ!」


 そうして完成した白玉に砂糖をまぶして早速皆で食べた。


「――ッ! この食感は珍しい! パンよりもっちもちじゃ!」

「ん~! 美味しい! 自分で作ったから尚更かもしれないけど……シアはどう?」

「美味しい! もちもちしてて楽しいよ!」

「ふふ、良かった」


「ガウレス、売るときはフルーツのジャムをかけるんだよ! 器にジュースを入れてこれを入れても良いかも!」

「いやー……素晴らしいですぞ! 見た目も綺麗な甘味になりそうじゃ! 材料もジャガイモと小麦粉があれば行ける! 今ある物を流用できるのは有難い!!」


 ガウレスはメモを必死に取りながら興奮している。


「みなもちゃん! 本当に有難う……! これは絶対に流行りますぞ!」

「いえいえ! 力になれて良かったよ!」

「いや~心配だった発表が楽しみになってきましたぞ! 早速共有してお披露目会の準備をしよう!」

「シアも手伝うぞガウレス」

「もちろん私もよ!」

「二人とも……感謝じゃぁぁぁ!」


 ガウレスはそう言って私とシアを抱きしめた。


 本当に喜んでもらえてよかった!



 そうしてお披露目会は無事大成功し、白玉は晴れて新商品として屋台通りに並ぶこととなった。

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