第56話 高校生編


 ※ 涼加 side



 男子組がトイレに行っている時にガラの悪い人達に絡まれてしまった。最悪の事態になってしまった。


「お嬢ちゃん達俺たちと遊ばない?」


「い、いいえ。私たちは男友達を待っているので。」


「そんなほっといていいからさ。ねぇ。」


 私は、前にあったナンパのことを思い出して体が震えていると颯真君が割り込んできた。


 私は、颯真君と翔梧君が戻ってきて安心して力が抜けてしまった。優花さんも同じだと思う。颯真君がガラの悪い人達と言い合っていて、そんなの無視してらいいのに颯真君はしつこく言っているためガラの悪い人たちは、ついに頭に血が昇ったのか颯真君を別の所に連れてかれた。私は、焦ってしまい警察に電話したほうがいいのかもしれないと思い、スマホを持つと翔梧君が止めてきた。


「大丈夫だよ。颯真なら無事に帰ってくるよ。」


「なんで冷静にいられるのですか!!」


「なぜか知らないけど颯真なら信頼しているからな。」


「そうだよすずちゃん。そうちゃんのことを信じないと。」


 私は、優花さんと翔梧君が落ち着いていたのでなぜそんなに落ち着いていられるのが分からなかった。優花さんと翔梧君は、颯真君が戻ってくるまで近くのベンチに座っていた。私は、そんなに落ち着いていられる気持ちが分かりません。とにかく私は、颯真君が無事に帰ってくることを祈った。


 私は、ベンチの周りをうろちょろしていると優花さんが話しかけてきた。


「どうしたのすずちゃん?」


「なんでそんなに落ち着いていられるのですか?」


「確かにすずちゃん的には落ち着いていられないよね。ゆうちゃんとしょうちゃんは前も同じことがあったから落ち着いているんだよ。」


「・・・前もですか?」


「そうだよ。前もね遊びに行った時に同じことが起きたの。まさに今回と同じケースでゆうちゃんが困っていたらそうちゃんたちが助けてくれたけど、そうちゃんだけが連れていかれて、その時はすずちゃんみたいに焦ったよ。」


「そうなんですね。」


「そうちゃんは、私達を安心させるためにやったのだと思ったの。」


「安心させるためですか?」


「そう。なんでそうちゃんは、煽ることをしたのでと思う。」


「・・・・分からないです。」


「これは、ゆうちゃんの個人的な考えだと思って。それはね。私達に被害に遭わせないためだと思う。」


「被害に遭わせないためですか?」


「そうちゃんは、最初の会話で去る人と去らない人を分けていると思うの。」


「・・・。」


「普通はそうちゃんたちに話しかけてられて諦める人は大半だけど。さっきみたいに突っかかってくる人達がいる。その人達の次の行動は限られてくるの。だからそうちゃんは、わざとことを大きくしているの。そうすれば、周りの人達に注目され、恥ずかしくて逃げ出す人が出てくるの。そうすれば、安全に対処できる。」


「そんなことをすれば、颯真君だけが損してませんか?」


「確かに損していると思うよ。そうちゃんは、自分だけが傷付けばいいと思っているからゆうちゃん的には、そんなことして欲しくないけど・・・。」


「・・・そうなんですね。」


「だから、無事に帰ってくることを祈ろう。しょうちゃんも冷静にしているけど、実際は、相当心配しているからね。それだけは勘違いしないでね。」


「分かりました。颯真君が無事に帰ってくることを祈ります。」


 私は優花さんの話を聞いて、少し気持ちを落ち着かせて焦っていても今の私たちでは、何も出来ないのでじっと待った。


 中々帰ってこないのでどうすればいいか考えていると颯真君が無事に帰ってきた。私は、勢いよく颯真君の元に駆け寄った。どこも怪我をしていないか確認して私は一安心した。優花さんたちも無事に戻ってきて安心したようで気を取り直して次の目的地に向かった。

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