第48話 高校生編

 俺は、山下先生が待っている教室に向かった。教室に入ると山下先生が椅子に座っていた。俺は対面するように座り、進路指導が始まった。


「緊張はしないでくれ。そうするとあまり話せないからな。」


「わかりました。」


「田中君は、進路を考えているのか?」


「一応考えていますけど・・・。」


「それは聞いてもいいかな?」


「はい。教師か料理人のどっちかにしようか迷っていて・・・。」


「そうか。田中君的にはどれがいいか迷っている状態か。」


「そうです。」


「それなら、じっくり考えればいいと思う。その目でしっかりと見定めて決めればいい。それが一番納得するからな。」


「わかりました。しっかりと見定めて考えたいと思います。」


「もしも、行き詰まってらなんでも相談してくれ。」


「はい。」


 俺は山下先生との進路指導が終わり、次の出席番号の人に呼びに行った。次の人を呼び終わり、自分の席に座ると涼加が話しかけてきた。


「どうでしたか進路指導?」


「山下先生に相談したから今のところ大丈夫かな。」


「どんなことを相談したのですか?」


「自分がなりたい職業に迷っている感じかな。」


「そうなんですね。」


「涼加はどんなことを相談するつもりなんだ?」


「それは、言えないです。」


「それはそうだろうな。ごめんな無理に聞いて。」


「そんなことないです。恥ずかしいだけですから。」


 俺は、涼加と話していると6時間目が終わりのチャイムが鳴った。山下先生が教室に戻ってきて、進路指導がまだの人は山下先生の授業の合間にやることになった。そして、そのまま帰りのHRが始め、さっき書いていたアンケートを回収して軽く連絡事項を話し、帰りのHRが終わった。優花と翔梧は、そのまま部活なのでここで別れて、俺は涼加と一緒に帰ることにした。今日は、誰かがついてくる気配がしなかったのでよかった。そうしているうちにそれそれの家に着いたので別れた。


 家に入るとスマホに橋本さんからメッセージが届いていた。俺は、すぐさま返信をして橋本さんが指定した時間まで家でゴロゴロした。


 橋本さんが指定した時間が近くになったので鍵を閉めて、いつもの公園に向かった。まだ橋本さんは着いていなかったので俺は、橋本さんが来るまで待った。しばらくして、橋本さんが来た。


「遅れてすまない颯真君。」


「こちらこそ。急にお呼びして申し訳ありません。」


「そんなことないよ。それでなんの要件なんだい?」


「この前に橋本さんに頼んだ事はどうなっていますか?」


「その件だけどなんとか頑張っているけど、まだ上層部からの許可が降りてない。」


「そうですか。一応こっちは話はまとまっているので後はそっちが頑張ってもらうことしかこちらはやる事はありません。」


「そうか・・・。こっちがどうしたら上層部が納得してくれるかどうか。」


「それならもし俺たちが捕まったらそのための弁解を頼みたいのですか。それはどうでしょうか?」


「それならいけるかもしれないが多分だけど難しいと思う。」


「そうですか・・・。」


「上層部を納得させるのは俺がなんとかするからもう少し待ってくれ。」


「わかりました。あと、お耳して欲しいことがあるのですけど・・・。」


「それはどんなことかな?」


「涼加が何者かに狙われているかもしれません。」


「それは本当のことか。」


「多分ですけど、学校から帰る時に後ろから視線を感じるのでもしかするとですけど・・・。」


「そうか。それはやばいな。」


「今はなんとか守っていますけど万が一にため見張りを置いた方がいいかもしれません。」


「わかった。その件は早急に対策を立てる。その間まで颯真が見てもらってもいいか?」


「わかりました。俺がなんとかします。」


 俺は橋本さんと別れて家に帰った。涼加の見張りはすぐに対策が来ると思うから大丈夫だけど橋本さんの方が苦戦しているみたいなので橋本さんからの連絡を待つしかない状態になってしまった。

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