第40話 高校生編

 涼加の家のリビングのドアが開き、涼永さんが仕事から帰って来たのだ。


「あら。お客さんが来てたの?」


「「「お邪魔してます。」」」


「こんにちは。涼加この方達は?」


「ごめんねお母さん。こちらは私がお世話になっている颯真のお友達の優花さんと翔梧君です。」


「そうなのですか。これはこれは娘がお世話になっております。」


「こちらこそ涼加ちゃんのお友達の橋本優花です。」


「同じく石川翔梧です。」


「そんなに畏まらなくていいよ。それと颯真さんこんにちは。」


「お邪魔してます涼永さん。」


「おい颯真。涼加さんのお母さんと知り合いなのか?」


「知り合いもなにもお礼をされた時に会って、そこから色々とお世話になっているからな。」


「そうなのか。」


「そういえば料理が苦手な子がいると娘に言われたのだけど・・・。」


「え〜っとそれはゆうちゃんです。」


 優花は、恐る恐る手を上げた。


「あなたなのね。料理なら私に任せなさい。ちゃんと作れるようにするからね。」


「ありがとうございます。」


「それならいつがいい?それとも早めのうちの方がいいかな?」


「お母さん。それはちょっと待ってて。今はテスト期間だから今週は無理なの。」


「そうなの!?そうなると夏休みじゃないと私のスケジュールが空きがないのよね。」


「それなら夏休みの時でいいですよ。私も夏休みまでのスケジュールに空きがないのでその時でお願いします。」


「分かったわ。それな連絡先を交換しましょう。いつでも連絡ができるので。」


「わかりました。お願いします。」


 優花と涼永さんが連絡先を交換し、涼永さんが俺達に話しかけてきた。


「この後どうするの?」


「今は休憩中でその休憩が終わったら少し勉強してそのまま解散する予定だよお母さん。」


「そうなの。それなら晩御飯を食べていきなさい。」


「いいのですか?」


「別にいいのよ。一人や二人が増えても変わらないから大丈夫ですよ。」


「それならお願いしてもよろしいでしょうか?」


「任されました。とびっきりのを作ってあげるから勉強を頑張りなさい。」


「「「「ありがとうございます。」」」」


 俺達は、涼永さんが晩御飯を作り上げるまで勉強を必死に頑張った。俺は涼加に徹底的にされた。特に英語は文法や単語の覚え方までも教えてくれた。数学もひたすら解き続け、理解するまで同じ問題を解かされた。翔梧も同様に優花に徹底的にされた。翔梧は、勉強はあまり得意ではないので優花が心を鬼にして翔梧に教えていた。そうしていると時間が過ぎ、そして涼永さんが晩御飯を作り終えたらしく勉強をそこまでにした。


 勉強を終えた俺達は、涼永さんの料理が並ばれている机に向かった。今回の料理は、ミルフィーユ鍋だ。


「こんなに人がいるからこんな時には鍋がいいのよね。」


「ありがとうございます。」


「いいのよ。冷めないうちに食べて。」


「「「「いただきます。」」」」


 ミルフィーユ鍋は簡単に作れるが意外とひと手間が面倒くさい。白菜の間に肉を入れていくのは意外と簡単そうで意外と難しい。なので俺はあまり作らない。それにミルフィーユ鍋と軽く小鉢なのがついていたので箸休めにはちょうどよかった。そうしているうちに意外にも早く無くなった。それを見越してなのか涼永さんが占めに雑炊おじやを作ってくれてとても大満足だった。


「美味しかったです涼永さん。」


「ありがとうね橋本さん。」


「ゆうちゃんにもいずれこんな料理ができるのかな?」


「大丈夫。絶対にできるから。こう見えて私元料理人なんですから。」


「そうなんですか涼永さん!?」


「だから教えるのが得意だから大船に乗った気持ちでいなさい。」


「ありがとうございます涼永さん。」


 優花は、涼永さんの料理を食べて感動したらしく、その後も涼永さんと話していた。翔梧は食べ過ぎたのかリビングのソファーで休憩していた。涼加は、食べた食器を洗っていたので俺はそれを手伝いに行った。

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