高校生編

第1話 高校生編

 田中 颯真たなか そうまは、地元から離れて第一志望校の天ノ原あまのはら高校に入学した。


 地元の家から天ノ原高校まで結構遠いから父親に無理を言って一人暮らしをしたいと申し出た。そしたら意外にもあっさり了承してくれた。高校から歩いて約10分のアパートに引っ越した。


 新たな所で友達を作ろうとしたが、中々友達ができない。中学生の頃は喧嘩ばかりしていたからみんなに怖がれ、話しかけるとたかられると思ってみんなに避けられることがあり、唯一できたのは二人だけだ。あれから時はたち高二の春。


 俺は、クラス表を見にいつもの通学路を歩いていると後ろから声が聞こえた。


「おはよう。今日から二年生だな。颯真と同じクラスになれたいいな。」

「そうだな。翔梧と優花と同じクラスでないと俺はクラスで浮くからな。そういえば、優花と一緒じゃないのか?」

「あいつは、少し遅れてくる。どんなクラスかが気になりすぎて遅くに寝て、俺との約束の時間に間に合わないのか慌てて家を出た際にカバンを忘れたらしくそれを取りに行ってる。」

「そうなんだ。優花は成績はいいけど忘れっぽいところがあるんだよな。まぁそれが優花らしいけど。」


 俺は、翔梧と話しながら学校まで通学路を歩いた。


 ーー石川 翔梧いしかわ しょうごは、俺の過去を知っている人の一人だ。高一の時に席替えをして、席が近かくてその時に話し掛けられてそこで意気投合し、今では俺の親友。翔梧は、成績は俺と同じぐらいで幼馴染の優花と付き合っている。


 しばらく歩いていると後ろから優花の声が聞こえた。


「しょうちゃん、なんで先に行くのよ!!待っててくれても良いじゃんか。」

「だって、いつ来るかわからないし早くクラス表を見に行きたかったからな。そもそも忘れ物する優花が悪い。」

「だってそうちゃんたちと同じクラスがいいなと思っていたら、中々寝付けなかったもん!!」


 ーー山崎優花やまざき ゆうかは、俺の過去を知っている人の一人だ。翔梧と仲良く話をしていた時に優花が翔梧を呼びに来た時に翔梧に紹介され、最初は怖られたけど段々と喋っていくうちに心を開いて行って、今では普通に喋れるようになった。一人称は『ゆうちゃん』。


 遅れてきた優花と合流し、高校までの通学路を歩く。たわいもない話をしながら歩いているとそのうちに学校へ着き、クラス表が貼り出されている場所へ行く。


「しょうちゃん、早く見に行こう!!」

「急ぐなって!!。クラス表は逃げないから、急ぐと絶対に転ぶよ。」

「そんなことないって!!。大丈夫だからってうぁぁぁぁぁ。」


 優花は足元の段差で足を取られ転びかけるが、すぐさま翔梧が手を伸す。


「だから言わんこっちゃない!。お前はすぐに調子に乗ると痛い目に合うのだから。」

「ごめんってしょうちゃん。でもありがとう。」


 周りを気にせずイチャイチャをしそうだったので、俺はすぐさま横やりを入れた。


「俺の横で甘ったるい空間を作り上がって、こっちの身になってにろよな本当に。」

「それはごめん颯真。別にイチャイチャしようとしてないからな。それだけは本当だ。」

「本当かな〜。いつも無意識で甘ったるい空間を作ってるよ。一緒にいる俺もう耐えられないよ。」

「ごめんねそうちゃん。だけどゆうちゃんはしょうちゃんともっとイチャイチャしたい!!。」

「おい!!。俺の話をちゃんと聞いてたか。耐えられないって言ったよな。」

「颯真諦めろ。今の優花の頭の中はお花畑だから、今はそっとした方が良い。」


 お花畑の優花を置いて、翔梧と一緒にクラス表を見に行く。


「あった。俺は1組だった。翔梧は何組だった?」

「俺も1組だったよ。優花も同じクラスだったよ。」

「マジか。騒がしくなるな〜。」

「しょうちゃんとそうちゃんなんで置いていくのよ!。しょうちゃんとそうちゃんはもう自分のクラス確認したんの?」

「あぁもう確認したよ。同じクラスったよ。優花も同じく。」

「やった〜!!。三人とも同じクラスなんだ。今年もよろしくね。」

「「よろしく。」」


 颯真達は自分たちのクラスへ行き、指定された席へ行く。颯真は廊下側の四列目の一番後ろに席に座り、始業式が始まるまで机に伏せた。しばらくして、先生が教室に入り生徒達を体育館に促した。始業式が始まり校長先生の長い話が始まった。体感的に約10分くらいにして校長先生の話が終わった。そして、順調に始業式進み無事に終わり自分のクラスに戻った。


「おーーい。席に着け。これから一年間担任を勤める山下 夏輝やました なつきだ。よろしく。この後は、軽く連絡事項と自己紹介だ。連絡は、学力テストだ。くれぐれも悪い点数を取らないように頑張ってれ。テストは1日で終わるのでちゃんと勉強してこいよ。それじゃあ今から自己紹介だ。出席番号1番からお願い。」


 山下先生は、30代前半で男っぽい性格だから段々と未婚期から遠退くので先生の前で婚活のことしゃべるとめっちゃ睨み付けてくる。先生的にはタブーらしい。かわいそうだなって思っていると鋭い視線がこちらを見ている。早速目を付けられてしまった。そうしていると自己紹介が自分の前まで迫っていた。


「田中颯真です。見た目はちょっと怖いかもしれないがそんなに怖くないのでそこのところよろしく。趣味は料理を作ることかな。一年間よろしくお願いします。」


 無事に自分の自己紹介が終わり、ふと違和感があった。それは俺の隣の席が空いていることだ。最初は、遅刻なのかなと思ったが体育館から教室に戻って席に座ると隣の席が空いていて、時間に経つにつれて段々とそこの存在を忘れていた。だけど、遅刻にしてはあまりにも長かった。そう思っているといつの間にか自己紹介が終わっていた。


「さて、自己紹介が終わったし何か聞きたいことあるか?田中の隣の席は諸事情で今日は来ない。ないならこのまま解散だが。」


 この後誰も聞きたい人が居ずにそのまま解散って形になった。俺も帰る支度していると早く終わった翔梧が俺の席に来た。


「さっき優花と喋っていたけど、早く終わったことだし近くのファミレスに昼飯を食いに行かないかって思ったんだけど颯真はどうする?」

「この後バイトまで暇だし俺も昼は外で済まそうとしてたからお前達の誘いに乗るよ。」

「わかった。優花に伝えてるよ。優花が少し遅れるから先に下駄箱の所で待っといてくれるか?」

「わかった。先に待っているよ。」


 俺は自分の荷物を持ち下駄箱の入り口で待った。しばらくしたら翔梧と優花が来た。俺は二人と合流し、そして近くのファミレスに向かった。






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