第3話 非常階段からの黒いモヤ(2)
実を言うと自分が住んでいる建物は今回の件以前にも3回飛び降り自殺がありました。建物の北と東と南です。今回は建物の西で起こりました。
職場では東西南北揃ってしまった、これからなにか起こるのだろうかと話題になっていました。
自分は勤務中にそのようなことが起こっていたのでそれどころではありませんでした。やっと半週終わり勤務交代してもなんだかモヤモヤが取れませんでした。その日の仕事が終わっても外に遊びに行く余力も無かったのでいつもどおり部屋で過ごしました。
いつもどおり夜、扇風機をつけ窓も扉も全開で就寝しました。しかし、暑くてやはり目が覚めました。そういえばあれって自殺の暗示だからもうなくなってるよなっと思い扉を方を向くとそこに黒いモヤがあったのです。
えっ?なんで?と思いました。
しかも黒いモヤは以前より大きく扉からはみ出してきているのです。
自分は怖くなりお腹にかけてあったタオルケットをかぶり、夜が明けるのを待ちました。
夜が明けて扉の方を向くと黒いモヤは無くなっていました。けどこのままではやばいと思い、部屋の同僚に聞くと他の同僚は夜トイレに行ったときもそんなのは見えてないと言って気のせいだろとなりました。自分は気のせいでは絶対ないと思っていたのでとりあえず、非常階段の扉を閉めて様子をみようと思いました。
その日の夜は非常階段の扉を閉めていたからなのか黒いモヤは現れませんでした。ずっと気のせい、と思っていて扉を開けたまま過ごしていたらどうなっていたのかは分かりません。
自分はそれから2年ほどで転勤して他の職場の建物に住んでいます。しかし、転勤してすぐにその職場でまた飛び降りがあったと聞きました。飛び降りがあったのは自分が住んでいた隣の建物ですが東西南北すべて揃った曰くが隣の建物に移ってしまったのかもしれません。もしそうならあと3回同じことが起こるかもしれません。
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