窃盗の罪で留置された少年と、彼の元を訪れる一羽のカラスの、小さな交流の物語。
童話のような雰囲気のファンタジー掌編です。
約3,000文字と非常にコンパクトで、サクッと読めるちょっとした小咄のような趣の作品。その中に仕込まれたちょっとした仕掛けというか、言葉遊び的な要素が主軸になっているところが独特でした。
具体的にどういう言葉遊びなのかは、ネタバレになるためここでは伏せます。作品紹介文とタグにヒント(というか正解?)があるため、それを手がかりに探してみるのが楽しいと思います。
物語そのものは非常に優しく、穏やかであるところが魅力的。中でも好きなのはやはり幕引きです。
前向きに拓けてゆく感じが嬉しい、素敵なハッピーエンドのお話でした。