第20話『巨船』
久里浜沖を船が行く
黒い大きな船体で
波を蹴散らし掻き分けて
堂々と波の上をはって行く
何者も寄せ付けないような
頑丈な勇ましい船体
吐き出される黒い煙に
海猫達は巻かれ
遠くから船体を見送っている
そして僕は少年院の金網越しに
その船を見送っている
やがて低く
腹の底まで染み渡るような
太い汽笛を残したままその船は
遠い沖へと消えて行く
力強い前進
黒い大きな船体はまっしぐらに
遠い沖へと消えて行った
エネルギーの固まり
そんな言葉とぴったりの船体
巨船の力
僕はこう願う
幸せの港へ
まっしぐらに進んで行きたいと
少年院から消えて行きたいと
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます