第21話『夢が欲しい』

静けさに溶け込むような

小鳥の鳴き声と共に

今日も一日が始まろうとしている


窓辺に割いている

真っ赤なガーベラの花が

風に優しく揺れながら

俺にそっと囁きかけてくる


いつか見たような気がする

今朝の光景が

俺達とは対照的に

可愛らしい夢を作り出す


窓越しで爽やかな風を受けながら

俺はその夢に浸っている


幸せを運んでくる青い鳥が

俺の目の前で鳴いている


思いきり手を伸ばし

その鳥を捕まえようとしたが

捕まえることができない


何故ならば

俺には自由が無い


自由の喜びを知らない


汗ばんだ手で

力いっぱい握り締めた鉄格子の

冷たい感触に

俺は現実の世界に引き戻された


そこには夢の無い仲間達の

淋しそうな顔があった







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