第18話『変わり者』

ひとりぼっちの好きな僕は

よく友達の群れから離れ

一人誰も居ない家の中で

将棋を四つ転がして遊んでいたっけ


家中の鍵を締めたまま

カーテンを引いたままの薄暗い部屋の中で

いつも一人 母を待っていたっけ


何故か一人で居ることが

僕の気をやすめ 安心感を与える


そんな僕は変わっていたんだろうね


皆は僕のことを嘘つきだとよく言ったっけ


皆を憎んだ僕は

そんな友達を殴ってしまった


その日から皆は笑顔で僕を

仲間に入れてくれたっけ


でもそれは心からの招きではなく

皆は影のある僕を

きっと恐がっていたんだろうね


だから僕は余計皆から離れていった


とても淋しかったけれど

やはり一人で居ることが好きだった


いつも一人でいたいと願った僕は

暗い鉄窓の中でもやはり

ひとりぼっちになりたいと願っているなんて

本当に変わり者なのだと思う







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