第11話『秋』

逃げる様に夏が通り過ぎ

風が静閑な秋を運んでくる

秋は僕の心 僕のすべて…


僅かな刺激で動かされる感情

秋はそんな感傷的な季節…


塀の外では人々が 

木の葉が散り風に舞うのを見て

感傷的になり涙を流す… 

それが当然の事の様に…


木の葉の悲しそうな踊り

風は花びらを口に喰わえて

何処へ行くのだろう…


僕の知らない未知の世界 

幻の世界…


秋は何も言わずに 

風と枯れ葉の絨毯に座っている


僕の心のシルクの糸が

何故か震えて

秋空に融け込んで行くように

とても静かな秋の歩みが 

寂しさを思い出させてしまった…






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