第4話『汚れた力』

冬が過ぎ去り

五月雨が廃虚を濡らし

真夏の太陽が

崩れ落ちた石垣に反射し

枯葉が舞いおりる


いつしか年月は流れ 再び冬が…


あの日の事

世間の人は忘れてしまうけど

汚れきった俺だけには…


長い年月が過ぎても

消せない昔がある


何処までもそれはつきまとう…


夜の街をさまよい歩いた

あの頃が楽しいはずなのに…


何故か

心に残ったのは空虚感だけ…


それは多分…

誰にも味わう事叶わない


苦いものの筈だ…





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