見た目は子供、中身も子供だった

「――私の名前はライア。見た目は子供だけど、中身はちゃんとした大人だから勘違いしないでよね!」

「……どう見ても子供なんだが。中身も子供っぽいけどなぁ」

「ま、まあ、その辺はあんまり触れないでおきましょうよ……ね?」

「ああ……」


ライアと名乗った彼女は、どう見たってかなりの美少女で幼女という、こんな子が女神だなんて想像できないが……。


「なあ、ひとつ聞きたいんだが、どうして俺の名前を?」

「あれっ、イリアから聞いてないの?」

「あ、あはは……その、なんというか……」


俺は隣にいるイリアに視線をやるが、イリアは目をそらし苦笑いをしている。


「それで、どうしてあなたの名前を知っているか、だよね?まあ、簡単に言えば、この世界の直々の王様ってことだよ」

「……何?俺が、この世界の王様?」

「そう。でも、私この後やることがあるから、この話の続きはイリアに聞いて。

それじゃあ、また会おうね。『テレポート!』」

「うおっ……一瞬にして消えやがったぞ。やっぱここって異世界なんだな……」


ライアは何かの言葉を叫んだとたん、跡形もなく消え去ってしまった。


「ライアはどこへ?」

「多分……悪い人たちを片付けに行ってるんだと思いますよ」

「悪い人?犯罪者とかか?」

「まあそんなところです。女の子に対してセクハラするような人を片付けることが多いんですけどね……なんではかは知らないですけど」

「セクハラか……」


セクハラも犯罪の一種か。……イリアにならバレないんじゃ……って何を考えている、バカか俺は。溜まっているからってそんなこと……。


「……何考えてるんです?一応言っておきますけど、私にセクハラしないでくださいよ?……その気があるならお尻ぐらい揉まれても……ってそうじゃなくてですね!それじゃあ行きましょっかお兄ちゃん!」

「お、おう……?」


どうして俺はイリアの兄になっているんだ?

そして、どうして俺は異世界にて妹を手に入れた?

妹なんか手に入れる目的はなかったんだがな……まあいいか、イリアって妹はかわいいしな。




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